iPadやKindleが脚光を浴びているが、普及台数で見た場合、iPhoneで電子書籍を読んでいる人も多いだろう。画面サイズこそiPadやKindleには及ばないものの、携帯性は高いし、専用ビュワーも多い。今回はそんなiPhone/iPod touchで電子書籍を読んでみるテクニックを紹介する。
読書用のデバイスとしてiPadやKindleが脚光を浴びているが、普及台数で見た場合、これらをはるかに凌駕するデバイスが存在する。そう、iPhoneだ。画面サイズこそiPadやKindleには及ばないものの、携帯性の高さはなにより魅力だし、汎用デバイスとあってポテンシャルも高い。使い方によっては、自炊した書籍データのビュワーとして、専用機にはないパフォーマンスを発揮してくれる。
というわけで、前回のiPad編に引き続き、今回はiPhoneで自炊データを快適に読むためのテクニックについて見ていきたい。
なお文中では特に言及しないが、本稿はiPhoneだけではなくiPod touchも対象としている。3G回線への対応の有無など、iPhoneとの機能の違いなどは適宜読み替えていただきたい。
自炊データのビュワーとしてiPhoneを利用する最大のメリットは、なんといっても持ち歩きしやすいことだ。わざわざ専用の読書ビュワーを持ち歩かずに、日々持ち歩いているiPhoneで本が読めるのは、外出先ではとくに重宝する。また自宅であっても、就寝前に枕元で本を読みたい場合に、軽量かつ片手で操作できるiPhoneなら、寝転がっての読書も問題ない。
いっぽうのデメリットは、やはり画面の小ささだろう。ディスプレイは3.5インチ、文庫本の半分程度のサイズとあって、読めるのはせいぜい文庫本もしくは新書が精一杯といったところ。文字も米粒以下の極小サイズになるケースがあり、その場合は漢字に振られたルビなどを読み取ることは不可能だ。見開き表示による読書も現実的ではない。
一時的に細部を拡大表示するだけであれば、ピンチイン/アウトもしくはダブルタップでスムーズに行えるのは、iPhoneならではのメリットだ。また絵が中心のマンガなどであれば、ズーム機能は用いなくとも、活字に比べてストレスなく読むことができる。後述するように読書ビュワーアプリが充実しているのも、大きなメリットだと言えるだろう。
iPhoneで読むための自炊データを作る際、Kindleのそれのように取り込み段階でデータをもろもろ加工する必要は特にない。カラー液晶を備えるiPhoneであれば、iPadと同様、どんなデータでもそれなりに読めてしまう。いちいち神経質になる必要はない。
もっとも、上下左右の余白はなるべくトリミングしておいたほうが、文字サイズが大きく表示されて読みやすくなる。後述の「GoodReader」であればアプリの側でトリミング機能を備えているが、こうした機能のないビュワーで読むのであれば、裁断の段階で上下左右の余白をカットしておくのは、自炊データを快適に読む場合の1つのテクニックだと言える。ただし過剰な最適化はほかのデバイスで読む際にネックになる場合もあるので、そうした懸念を含めて判断したい。
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