ついマルチタスク偏重になりがちなアナタへ、改めてシングルタスクのススメ3分LifeHacking

プレゼンテーションの資料を作りながら、顧客からのメールを返信し、チャットで仕事の打ち合わせ。気づけば意外にどれもはかどっていない……というのはよくあること。マルチタスクとシングルタスクのメリット・デメリットを振り返るとともに、シングルタスクの実践法を取り上げます。

» 2010年10月05日 12時00分 公開
[Jason Fitzpatrick(訳:松岡由希子),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 プレゼンテーションの資料を作りながら、顧客からのメールを返信し、チャットで仕事の打ち合わせ。あちこち意識や思考が分散し、忙しくて仕方ないけれど、気づけば意外にどれもはかどっていない……というのはよくあることですね。こちらでは、マルチタスクとシングルタスクのメリット・デメリットについて、改めて振り返るとともに、シングルタスクの実践法について取り上げてみたいと思います。

マルチタスクの魅力と罠

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 一度に複数のことに着手できる「マルチタスク」は、忙しいビジネスパーソンにとって魅力的なアプローチですが、実は、ヒトの脳はもともと、シングルタスク向きなのだとか(このテーマについては、ライフハッカーアーカイブ記事「自称マルチタスク派は、実はマルチタスクに不向き?!」も参照のこと)。

 メールをチェックしながら、人の話を聞き、メモを取るといったように、同時に複数の行動を実行すると、それぞれの成果はある程度犠牲にせざるをえず、すべてを効果的にやることは不可能だそう。意識が散漫になり、それぞれのタスクに集中するため、より多くの時間を費やすことになります。

シングルタスクの利点

 シングルタスクだと、やるべきことに自分を集中させやすくなります。また、「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」と気ばかり焦りがちになるマルチタスクよりも、シングルタスクのほうがストレスも軽減。目の前のタスクにパワーを向け、1つ1つのタスクをやり遂げやすくなります。時間のマネジメント術としては、タイマーを使って時間にメリハリをつけ、集中タイムを作るのも一法ですね。

シングルタスクの実践法

 マルチタスクが習慣化している人にとっては、シングルタスクのほうが実は効率的だと分かっていても、一朝一夕にこれを実践するのは難しいかも……。まずは、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。

1. 仕事の効率化に最低限必要なツールだけ使う

 生産性向上のためのツールや製品・サービスは次々とリリースされますが、これらはあくまでも「成果を出す」という目的のための手段にすぎません。実は、仕事をやる上で本当に必要なツールはそれほど多くないはず。新しいツールやサービスなどにすぐ飛びつくのではなく、「本当に取り入れる価値や意義があるのか?」を冷静に判断した上で、利用するようにしましょう。また、根拠の薄い「思い込み」がシングルタスクを阻んでいることも……。

 例えば、常にメーラーを立ち上げていなければならないでしょうか? インスタントメッセンジャークライアントをONにしておく必要はあるでしょうか?  「これがなくては、その仕事はできないか?」という視点で、本当に必要なツールを「仕分け」することも、ときには必要です(このテーマについては、ライフハッカーアーカイブ記事「生産性向上にはシングルタスク志向が効果的!?」もご参考まで)。

2. 必要ないことはやらない

 ともすると「ToDoリスト」は手付かずのタスクで「満員御礼」になりがち。数々の未完タスクがストレスになったり、それゆえに、1つのタスクに集中できないということもあります。しかし、リストされているタスクはすべて、本当にやるべきことでしょうか?  成果を出すために本当に必要なタスクだけを取捨選択し、ときにはタスクを「捨てる」勇気を持つことも大切。

3.「シングルタスク」を公言しよう

 シングルタスクで仕事をしたくても、周りの環境がそうさせてくれないという面も……。「さっきメール送ったのに、なんで返信くれないの?」とか「席にいるんなら、チャットもONにしておいてよ」など、上司や同僚からのプレッシャーゆえ、マルチタスクから抜け出せない人もいるかもしれません。しかし、思い切って、自分のシングルタスク志向を公言してみましょう。ある時間帯だけインターネット環境からブロックするとか、架空の予定や会議を入れて集中タイムを作るという裏技など、シングルタスクの時間を定期的に作るだけでも、生産性向上につながります。

 マルチタスクもシングルタスクも、仕事をやり遂げるための1つの手段。いずれかの二者択一というよりはむしろ、これらをうまく組み合わせ、メリハリをつけることこそ、仕事の生産性向上を実現する有効な方法かもしれませんね。

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