全81話“超ド級”韓流ドラマの複雑怪奇な人間関係を図解する手書きでマスター【図解思考編】

「チュモン(朱蒙)」という韓流ドラマをご存じですか? なんと81話完結という超大作です。今回のターゲットは、この「チュモン」。登場人物の相関関係を図解で整理してみます。

» 2010年07月27日 12時30分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 「チュモン(朱蒙)」という韓流ドラマをご存じですか? 81話完結という超大作で、韓国では数々の人気ドラマをおさえて、視聴率が50%を超えたと話題になりました。

 わたしも最初はダラダラ見ていたのですが、5話くらいから「おっ?」と起き上がり、10話以降はのけぞり気味で81話まで見てしまったのです。だいたい1話が70分もあるわけだから、ざっと計算しても95時間近く見たことになります。ひさびさに妙な達成感がありました(笑)。

 まずは、かんたんにあらすじをお話しましょう。「チュモン」の舞台は紀元前の朝鮮半島。漢(今の中国)により滅ぼされた古朝鮮の再建を誓ったヘモス将軍と、その友人であるプヨ国のクムワ王が共に漢軍と戦うことになるのですが、結局戦いには敗れ、ヘモス将軍は死に、クムワ王はヘモス将軍と将来を誓いあったユファを側室として引き取ります。しかしユファのお腹には、死んだヘモス将軍との子供がいました……。その子供が主人公のチュモンです。

 チュモンは最初、弱虫で女好きでどうしようもなかったのですが、武者修行でプヨ城を出たところで、生涯の心の伴侶となるソソノに命を助けられます。その後、自分の出生の秘密を知り、死んだはずのヘモス将軍に偶然出会い、武術を習うようになって、見違えるように、かっこいい男になっていくのです。そして、いつしか自分もヘモス将軍の跡をついで、古朝鮮の再建を図るという大業を成し遂げようとします。

 今回は、この「チュモン」を図解しましょう。登場人物の相関関係を図解で整理してみたいと思います。

国レベルは影つきの帯で示し、人物は人型シルエットの横に名前を入れるルールとしましょう
血のつながりは矢印のない線で結び、横ならびは「夫婦」「兄弟」、縦のならびは親子や師弟関係とする
相愛や対立は両矢印で

 整理するポイントは、いくつかのレイヤーがあるということ。前回の「もしドラ」でも説明しましたが、大分類から小分類への区分けが一番重要です。このケースでは、「国」レベル→「人物」レベルが分かるように、図解パーツを工夫しましょう。今回は人物アイコンの左わきに名前を入れるというルールに統一します。

 また、「頭がよくなる図解思考の技術」で何度か説明しましたが、血のつながり(夫婦や親子)を「−」で結び、対立や相愛は「⇔」で結びます。

 さて、簡単にルールを決めた上で書いていきます。完成図を見ながら、解説しましょう。

 まず、おおまかに登場する重要な組織(ほかにもありますが、ここでは省略)であるプヨ国、漢軍、ヨンタバル商団の位置を決定。そこに属する人物をルールに従って配置します。注意点は、夫婦や兄弟、恋仲の人物が真横にくるように配置すること。そうしないと、後で破綻(はたん)してしまいます。

 人物が置けたら、大きなくくりである国レベルの名称を上に配置。このとき、国レベルのくくりを、点線などで囲むという方法もありますが、今回は線の数が多く見栄えが悪くなるので、見出しのみとしました。

 死んだ人は点線です。このドラマ、81話もあるのでどの時点で区切るかで、死ぬかどうかが分かれてしまうのですが、今回は中盤まで生きている人物は点線ではなく、実線で囲みました。

 ドラマの後半では、プヨ国の側室の息子であるチュモンが王子の身を捨て、ヨンタバル商団とともに、新しい国、コグリョ(高句麗)を作ります。なので、ゆくゆくコグリョに参加する人だけ分かるように、人物シルエットに斜線を入れてみました。

 チュモンは、コグリョの王となり、亡き本当の父であるヘモス将軍を殺害した漢軍に復しゅうを果たします。かなり端折ってますが、ここまで目まぐるしく戦局が変わり、息が抜けません。


紀元前の朝鮮半島の歴史ロマンを81話にわたる「チュモン」の人物相関図。今回は、王や王子などにフォーカスしましたが、家来にもなかなかキャラクターの濃い面白い人物が登場するので、詳細はぜひDVDなどでチェックしてみてください

 さて、今回はこれまで。見ていない映画やドラマの場合は、図解にすることによって興味が持てるかどうか、がポイントです。みなさんはいかがだったでしょうか?

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

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