iPadでメモを取るつもりでブログの記事まで仕上げてしまうあなたの不安、見積もります

iPadを購入してから、ずっとやりたかったことの1つがブログの更新。ブログネタというのは、思わぬところで思いつき、そのたびにメモを取っていましたが、あとからメモを見てもなぜそのネタを書いたのかよく分からない時があります。これを解消するにはその場でメモを原稿まで仕上げること。この作業にiPadがぴったりなのです。

» 2010年07月15日 14時30分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]
Evernoteに書き込んでいるところ

 iPadを購入してから、ずっとやりたかったことの1つがブログの更新。ブログネタというのは、思わぬところで思いつきます。ずっと考え続けているせいでしょうが、出先や食事中、トイレの中まで、どこでアイデアを捕まえられるか読めません。

 そうなりますと、当然「ブログネタのメモ」ということになりますが、ネタをメモしておいても、あとでよみがえるのはネタの記憶であって、モチベーションは思い出せないことがあります。つまり「これはいいネタだ!」と思っても、あとでメモを見返してみると、ブログにアップしたくなくなっていたりするのです。

 もちろん、「そんなネタは捨ててしまうべきだったので、アップしなくて良かったのだ」という考え方もあるでしょう。事実、そういうこともあります。が、物書きにとって、ネタはトリガーに過ぎないことも多々あって、「これだ!」というネタに沿って書いていくと、まったく異なるテーマで、思わぬ良記事が書けることもあります。


 iPadは、そういうチャンスをもたらしてくれるのです。つまり「ネタをメモるつもり」でiPadに記事を殴り書きしていくと、全然別のテーマで思わぬひろいものができることがあるのです。

 iPadじゃなくて、モバイルPCでもいい気がしますし、場合によってはiPhoneや他のスマートフォン、もしくは携帯電話でもいい気がします。

 しかし、iPadには以下のようなメリットがあります。モバイルPCの場合、電源ONから入力までに少し待たされます。外に出るとイー・モバイルなどにもつながなければならず、これにつなぐのも意外と時間がかかります。なんといっても、一度消してまたつけるときに、心理的抵抗があります。一方、iPadにはそうしたストレスがありません。これは大きいです。

 もう1つは電車内などで立って使う場合。モバイルPCは意外とこれが難しいのです。Pocket WiFiでネットに接続し、立ちながら1本指でキーボードを押すことも可能ではありますが、この点はiPadがやりやすいです。というより、その姿勢ではモバイルPCを使う気になりません。


こちらは「するぷろ」

 iPhoneやスマートフォンの場合には、入力がネック。フリック操作は非常に優れていますが、この連載のような記事の長さでは、いかに優れているといえど、フリックで打つ気にはならないです。

 ですからわたしは最近極力、iPadを持ち歩くようにしてその上、「Evernote」や「するぷろ」などを立ち上げるようにしています。ブログエディタの「するぷろ」については、回を改めて書くとして、Evernoteやするぷろを使って「メモを取るつもりでも原稿形式に書き出す」ほうが、結果としては面白い記事になるのです。

 そのとき頭の中にあるものが、重要なアイデアであるとは限りません。一見重要そうに見えるアイデアがトリガーとなって、もっと大事なものが頭から出てくることはとても多いのです。iPadはやろうと思えばブログを完成させられるし原稿も書けます。この「本格的に書ける」という可能性が、メモの可能性を一段と高いレベルへと引き上げてくれる――のかもしれませんね。

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筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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