最終回はGoogleをはじめとする各社のサービスを紹介する。あなたの会社にとって利便性が向上するWebメールを導入して、ぜひビジネスの役に立ててほしい。
というわけで、不定期連載してきた「今さら聞けないWebメール」特集も今回が最終回。Webメールの仕組みを説明した初回、機能的なメリットを紹介した第2回、デメリットをどうやって回避するかを解説した第3回に続く、最終回はGoogleをはじめとする各社のサービスを紹介しよう。
なお、各サービスはWebメールの利点を最も引き出すIMAP形式に対応し、中小企業の担当者の負担を減らすアウトソース事業者という観点で選んだ。想定する中小企業は500人未満の企業規模とする。
まずは「Google Apps」。Webメールサービスとして「Gmail」が利用できるほか、グループのスケジュール管理ができるGoogleカレンダーや、Officeドキュメントの共有ができるGoogleドキュメントなども使える。無料体験版や最低限の機能が使える「Standard Edition」のほか、1ユーザーあたり25Gバイトのメール容量やSSL通信、365日24時間体制のサポートサービスなどが付いた「Premier Edition」を用意している。
項目 | 初期費用 | 年間費用 | 容量 | 最大ユーザー数 |
---|---|---|---|---|
内容 | 無料 | 1ユーザーあたり6000円 | 1ユーザーにつき25Gバイト | 無制限 |
備考 | − | 月額500円 | − | − |
項目 | セキュリティ機能 | メールアーカイブ | カスタマーサポート | |
---|---|---|---|---|
内容 | Googleの企業向けのホスティング型セキュリティ/アーカイブサービス「Postini」を拡張して迷惑メールフィルタリング機能を強化 | SSL通信 | 最長10年間メールを保管 | 365日24時間 |
備考 | 送受信のメールもフィルタリングするため、ウイルスメールの受信や送信メールによる情報漏えいも防ぐという | − | − | 電話、メールにて対応。オンラインドキュメントも用意。 |
「高機能なGoogle Appsは魅力的だけど、インタフェースは慣れ親しんだOutlookなどのメールソフトに似たものがいい」という人も多そうだ。そんなインタフェースにこだわったのが「feedpath Mail」。Ajaxを駆使したインタフェースでOutlook感覚で操作できる。またサイボウズをはじめ、SkypeやGoogleマップなどとも連携可能だ。
項目 | 初期費用 | 年間費用 | 容量 | 最大ユーザー数 |
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内容 | 5万2500円 | 1ユーザーあたり1万1340円 | 1ユーザーにつき10Gバイト | 499 |
備考 | − | 月額1050円(年額契約だと10%オフ) | 月額契約の場合は1Gバイト | 別途大規模向けプランあり |
項目 | セキュリティ機能 | メールアーカイブ | カスタマーサポート | |
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内容 | アンチスパム「SpamAssassin」 アンチウイルスソフト「ClamAV」 |
SSL通信 | 標準1年保存 | 平日9時〜18時 |
備考 | 添付ファイルはHTMLに変換して無害化。万が一ウイルス感染した添付ファイルを開いても、PCへの感染を防ぐという | − | 最長3年の保存が可能 | ただしデータセンターは24時間有人監視 |
コストパフォーマンスに優れるのがエアネットの「ALL in Oneメール」。300ユーザーのプランで合計で月額14万2800円(1ユーザーあたり476円)、500ユーザーのプランでは同16万8000円(同336円)とGoogle Appsよりも安く利用できる。容量は全体で300Gバイト+アーカイブ領域100Gバイトの合計400Gバイトで、アーカイブを利用しない場合は400Gバイト全体をメール容量として利用できるのもお得。
オプションで「メール誤送信防止」も用意している。まずは低コストで始めたい企業におすすめだ。
項目 | 初期費用 | 年間費用 | 容量 | 最大ユーザー数 |
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内容 | 無料 | 1ユーザーあたり5712円 | 300ユーザー全体で300Gバイト | 300 |
備考 | 現在キャンペーン中 | 月額476円 | アーカイブを利用しない場合は+100Gバイト | 別途大規模向けプランあり |
項目 | セキュリティ機能 | メールアーカイブ | カスタマーサポート | |
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内容 | アンチスパム「CLOUDMARK」「SVM」 アンチウイルスエンジン「F-Secure」 |
SSL通信 | 最長3カ月間ダウンロード可能 | 24時間365日(障害対応) |
備考 | オプションで「メール誤送信防止」も用意。添付ファイルを自動的にパスワード付暗号化する設定や、送信メールを一定期間保留できる | 別途SSLサーバ証明書の購入が必要 | データは一般的なメールのファイル形式である「eml」形式で日ごとに圧縮、保存。1日単位でダウンロード可能 | 電話・メールによる対応は平日10時〜12時、13時〜18時 |
添付ファイルを含む社内外の送受信メールをすべてを保存するというメールの保存/監査機能が優れているのがNTTPCコミュニケーションズの「Mail Luck!セキュアタイプ」。しかも、保存している領域は管理者であっても削除、改ざんできない高セキュリティの保存領域で、万が一の際に証跡となり得る客観性を保ったメールの管理が可能だ。また、添付ファイルの内容を確認しない限り、送信できない承認フローも設定できる。
項目 | 初期費用 | 年間費用 | 容量 | 最大ユーザー数 |
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内容 | 31万5000円 | 1ユーザーあたり1万4700円 | 1ユーザーあたり100Mバイト | 300 |
備考 | − | 月額1225円 | 保存領域全体としては60Gバイト | 別途大規模向けプランあり |
項目 | セキュリティ機能 | メールアーカイブ | カスタマーサポート | |
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内容 | アンチスパム「Symantec Brightmail AntiSpam」 アンチウイルスエンジン「Symantec」 |
SSL通信 | 全メール | 24時間365日(電話にて障害対応) |
備考 | 添付ファイルの内容を確認しない限り、送信できない承認フローも設定できる | 別途SSLサーバ証明書の購入が必要 | − | 技術対応はメール窓口を用意 |
というわけで簡単に4つのサービスを比較してみた。いずれもモバイル対応しているWebメールサービスなので、いつでもどこでもメールを確認できるのはうれしい。
選ぶとすれば、Googleの先進的なサービスやGmailのインタフェースが好きならばGoogle Apps、Outlookのような見た目や操作感、サイボウズなどとの連携を希望するならfeedpath Mail、まずは低コストで始めてみたいならALL in Oneメール、セキュリティを重視するならMail Luck!――というところだろうか。
メールは今やビジネスの中核となるツール。あなたの会社にとって利便性が向上するWebメールを導入して、ぜひビジネスの役に立ててほしい。
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