先のことが気になる人には「山積みスケジューラー」あなたの不安、見積もります

日々のルーティンワークを回すための仕事術と、長期的な計画を完遂させるための手法は異なります。今回はこうした長期の計画をうまくやっていくための「山積みスケジューラー」をご紹介しましょう。

» 2010年05月06日 12時08分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 前回「1日1箱」という仕事術を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。1日1箱はいわば日々のルーティンワークを回すための仕事術。今回は、長期的な計画について考えてみましょう。

 わたしの場合、1日のタスクは、タスク全体の見積もり時間を出しているので、何時何分に終わるかまでがおおむね見えるのですが、長期の計画を立てるとなると、これだけでは無理。1カ月以上のプロジェクトに参加しているような状況では、長期の計画も立てたくなってきます。

 わたし自身の例で言えば、大きめのセミナーを開催する場合や『Evernoteハンドブック』のような電子書籍を複数の著者とともに作る場合、「長期計画を管理する」必要性が出てくるのです。

 自分1人だけで仕事をするわけではありません。それに、わたしの担当部分が終わるのを待って、ほかの人が作業に取りかかるという流れもあるので、自分のところで仕事を滞らせるわけにはいきません。

山積みスケジューラー

 同時に、そのプロジェクトが自分自身の、ほかのタスクと並行して走っているわけですから、いつでも状況を参照できるようにしておかないと、頭が混乱して、無駄な不安に襲われてしまいます。そうならないように、わたしは「xfy Planner」というソフトのリフィルである「山積みスケジューラー」を利用しています。

 Windows限定ながら、このソフトは7日から10日といった単位の「時間の見積もり」ができます。もっと先でやりたいことを「棚上げ」にしておくこともできます。個人用途でガントチャート的に予定を確認するには、今のところこれ以上のソフトを知りません。

 概念は単純で、プロジェクトにぶら下がるタスクを、何月何日にどのくらいの時間でこなすかというインタフェースによって管理するものです。

 これによって、何月何日から、何月何日まで、日にちとしてのリソースをどの仕事に割り振っていけばいいかを、一望できます。ほかの人の予定も分かる範囲で書き入れていくと、どのタイミングで仕事の進捗状況を尋ねればいいかなどが見えるので、安心できます。

 意外と馬鹿にできないのが「予定」の入っている日。打ち合わせ1つとっても、移動して、待ち合わせをして……などなど、打ち合わせ自体よりも多くの時間を要求するので、その日は必然的にたくさんのタスクが「積み上がる」ことになります。それがどの程度かを目で見て確認すれば、タスクの割り振りをさらにきめ細かくやれるでしょう。

 もちろん、「今日やること」をふだん使っている自分のタスクリストと合体することを忘れずに。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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