メールを無視せざるを得ない気持ち、女性の「キモいよ」と一緒堀江貴文に聞く【人脈編】

人生のステージが変わるごとに、人間関係も常にリセットしてきましたが、メールやケータイの普及によって、過去の人間関係が思わぬ時に復活するケースも増えてきたと思います。その一方、興味のない相手のかわし方は難しくなって来たかもしれません。

» 2010年04月20日 17時15分 公開
[堀江貴文,Business Media 誠]
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まな板の上の鯉、正論を吐く ホリエモン108のメッセージ

この連載は書籍『まな板の上の鯉、正論を吐く』から抜粋、再編集したものです。最高裁の判決を待つ身ながらも活発に発言を続ける彼の頭の中に去来する思い。「クビにしないように採るのも企業の責任」「僕の経験上、返済できる金利の上限は5%」「今の日本は国家が借金したお金でGDPを支えている」「核武装して周囲に摩擦を生むくらいなら今のままで十分」――。その一部をご紹介します。堀江流思考のストレッチをお楽しみください。


人付き合いは得意な方ですか?

 あまり得意じゃない、というのが正直なところ。僕は、話をしていて楽しくないとイヤなんです。子供の頃からそうなのですが、大人と話していても「つまらない」と感じたら、黙ってしまうところがある。

 「付き合いが苦手」というよりは、「友達が少ない」というほうが正しいかもしれません。人付き合いには、「刺激の賞味期限」みたいなものがあって、人生のステージが変わる中で、話が合わなくなっていく人も多い。

 時間が経てば、遊ぶ場所も変われば、食事をする場所も変わり、それにともなって価値観も大きく変わっていく。そんな時、みなさんはどうしているのでしょうか。

 僕の友人にも、「中学からずっと仲良し」という関係を保っている人がいます。「地方から東京に出て来て、同じく上京している地元の友達と仲が良い」という人も多いと思いますが、昔話は何年かに一回で十分。

 僕は中高時代の友人には、全然会いません。ステージが変わった場合には話が合わなくなって、結局は疎遠になってしまう。もっといえば、「次のステージでうまくいかなくなった時に、以前のような交友関係に戻れる」という保険をかけたくない。

 僕が通っていた高校は進学校だったので、同級生は東京でバリバリ働いている人も多いはずですが、どこで何をしているかすら知りませんし、同窓会もない。人生のステージが変わるごとに、人間関係も常にリセットしている、そんな感覚です。

近年で「人付き合い」を取り巻く環境はどう変わりましたか?

 社会全体でいえば、人間関係がリセットされにくくなっていると思います。最近はmixiで旧友と再会、あるいは同じ学校の出身者と出会う、ということも可能になっています。僕も人付き合いで「リセット」を続けてきたとはいえ、すでにメールが普及していた大学時代の友人とは、今でもたまに会うことはある。十数年前の当時、まだ一般的ではなかった「メーリングリスト」をつくり、学友の関係をつないでいたのは僕でしたから。

 メールやケータイの普及によって、過去の人間関係が思わぬ時に復活するケースも増えてきたと思います。個人的な話をすれば、会社をつくり、そこで培った人脈が4年前にリセットされました。けれど、ここ3年でケータイの登録件数がものすごく増えたんです。

 ほとんどが仕事以外の関係で、500人くらいは増えました。プライベートでの人付き合いが、大きな割合を占めるようになってきた。ほとんどが女の子ですが。人間関係をリセットすることはときに痛みをともなうものですが、それを感じないくらい忙しく熱中していれば、新たな出会いを無理なく受け入れることができるのではないでしょうか。

自分が興味のない相手のかわし方は?

 これは非常に難しいテーマです。特に、電話番号の交換をする時が一番難しい。ケータイが普及し始めた頃は、みんな使い方をよく理解していなかったから、結構ごまかしがききました。

 でも今は、赤外線通信で簡単に番号交換ができることを、多くの人が知っています。ガードの仕方としては、連絡先の話題について、自分からは触れないようにする。相手がいってきた場合は、なかなか断ることはできません。

 近寄ってくる人の中には少し怪しげな人もいる。そういう人とたまたま隣の席に居合わせたりして、連絡先の交換をしてしまうケースもありますが、その後は連絡がきても「シカト」をするしかない。

 女の子にメールしても返ってこない、ということがありますが、これも同じかわし方かもしれません。「ごめん! メールを見落としてた」なんて、普通ありえませんよね(笑)。

 怪しげな人や、ゲイバーでオカマの人にしつこくいい寄られたりすると、初めて女性の気持ちが分かります。こちらが連絡を無視せざるを得ない状況は、女性の「うわ、キモいよ、このおっさん」という拒否反応に近いといえます。

著者紹介:堀江貴文(ほりえ・たかふみ)

 1972年、福岡県生まれ。1991年、東京大学教養学部文科三類入学。1996年、東京大学在学中に資本金600万円で「有限会社オン・ザ・エッヂ」を設立。2002年、経営破綻した旧ライブドアから営業権を取得し、2004年、「株式会社ライブドア」に社名変更。同年6月、経営難に陥っていた大阪近鉄バファローズ(現・オリックスバファローズ)の買収を申し出たことにより、ライブドアとホリエモンの名前は一躍全国区に。2005年2月、ライブドアがニッポン放送の株主となり、フジテレビとの間でニッポン放送の経営権争奪戦が起こるが、4月には両者で和解。フジテレビはライブドアから1400億円でニッポン放送株を買い取った。2005年8月、広島六区から衆議院選挙に出馬し、亀井静香と一騎打ちになるも落選。2006年1月、証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕・起訴される。2007年3月、東京地裁で2年6カ月の実刑判決を受け、即日控訴。2008年7月、東京高裁は控訴を棄却。即日上告し、現在最高裁判決を待つ。現在、ロケット開発を手がけるSNS株式会社のファウンダー。


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