Google日本法人は3月19日、日本語入力システム「Google日本語入力(ベータ)」をアップデートし、学習アルゴリズムの変更や「ATOK」「ことえり」からのユーザー辞書インポート機能などを追加した。
同社Webサイト から無料でダウンロードでき、すでにインストールしている場合は最新版に自動更新される。対応OSはWindows XP/Vista/7とMac OS。
Google日本語入力はWeb上のデータから自動で辞書を作成し、新語や専門用語、芸能人の名前などを変換しやすいのが特徴。Google検索と同じく、冒頭の数文字を入力すると候補語を提示するサジェスト機能も搭載している。
最新版の新機能と変更点は以下の通り。
学習アルゴリズムの改善 変換履歴をより効果的に使うようにアルゴリズムを改善し、従来版で指摘されていた「使うほどに意図しない変換結果が出るようになる」という問題に対処した。
単語辞書の更新 「録る(とる)」や「拘る(こだわる)」といった表外読みの単語を辞書に追加した。
入力履歴サジェストの改善 誤変換した結果がサジェストに使われるのを防ぐため、変換した文字列を[BackSpace]キーで削除した場合に、その文字列を入力履歴のサジェストに反映しないようにした。
辞書ツールの機能向上 「ATOK」「ことえり」から出力したユーザー辞書のインポートに対応し、MS-IMEはユーザー辞書の出力なしに直接インポートが可能になった。インポートする辞書の種類とエンコーディングを自動判定するようにした。
ローマ字テーブルの機能向上 設定ダイアログからローマ字ルール(「la」で「ぁ」と変換するなど)を変更できるようになった。
キー設定ツールの機能向上 [キー設定]の[カスタム]メニューで、キーボード入力によるキーバインドの変更が可能になった。
MS-IMEモードでの[無変換]キーの動作を変更 「無変換」を押すたびに「ひらがな→全角カナ→半角カナ→ひらがな……」と動作するようにした。
現在時刻の入力を追加 「いま」と入力して「16:03」など現在時刻に変換できるようになった。
動作速度の向上 (Windows版のみ) OS起動時に辞書領域を物理メモリ上に常駐させる機能を追加し、変換速度を最大で200%高速化した。
インストーラの不具合修正 (Windows版のみ) インストール中にエラーが発生したときのメッセージが常に「インストーラに次のエラーが発生しました: 1603: インストール中に致命的なエラーが発生しました」となってしまう問題を修正した。Windows Server 2008以降のサーバOSに対するインストール時のチェックを外した。
かな入力時の動作改善 (Windows版のみ) 直接入力時に意図せずカナロック状態になってしまう問題を修正した。
Google Japan Blog では今回のアップデートを「ベータ版リリース後の早い時期からお使いいただいているようなユーザーの方に、特に喜んでいただける機能になっていると思います」とコメント。また、Windows版の動作速度の向上は「メモリが少ない、特にWindows XP環境で効果を発揮するもの」としている。
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