「Twimono」はその名の通りTwitterと連係し、Twitter上でつぶやかれた製品情報をまとめてくれるサービス。「欲しいモノリスト」を作るなら、Amazonよりこちらをオススメする。
「最近デジイチが気になる」「あ、この本読みたかったんだ」「そろそろPC買い換えたいなあ……」
普段の生活の中で何気なくつぶやいたこんな言葉を集めれば、あなただけの「欲しいモノリスト」ができるに違いない。せっかくだから自分のつぶやきだけでなく、他人のつぶやきも最大限参考にしてしまおう――そんなコンセプトから生まれたであろうWebサービスが「Twimono(ついもの)」だ。
Twimonoはその名の通りTwitterと連係し、Twitter上でつぶやかれた製品情報を自動でまとめて、欲しいモノリストを作れるサービス。Twitter関連のサービスは数多くあるが、日々飛び交う膨大な量のツイート(つぶやき)の中から必要な情報だけを切り出し、ユーザーごとにアレンジした見せ方をするインタフェースに“うまさ”を感じる。
Twimonoのトップページにアクセスすると、「今Twitterで話題のmono」がジャンルごとにずらっと並んでいる。これはAmazon.co.jp(以下Amazon)に登録されている製品の中で、Twitter上で言及された回数が多いモノのこと。製品には「キーワード」が最大3つまで設定されており(例えば「ポメラ DM20」であれば、「DM20」「ポメラ」「pomera」など)、このキーワードを含むツイート数を集計してランキングに反映しているのだ。
この記事を執筆している3月18日時点では、Appleの「iPad」や映画「サマーウォーズ」のBlu-ray版がランキングの上位にきている。iPadがランクインしていることからも分かるとおり、発売前の製品でもAmazonにさえ登録されていれば、集計対象として登録できる仕組みだ。
試しに気になる製品の画像をクリックしてみよう。製品個別ページでは、キーワードのツイート数を折れ線グラフで表しており、「その製品の広まり方」が一目で分かるつくり。「発売日前後は盛り上がらなかったけど、ある日を境に一気に言及数が増えているな。テレビで取り上げられたのかも」「発売日はずいぶん前だけど、毎日一定数の人が言及している。ユーザーコミュニティが活発そうだ」といったように、分析次第で“製品の素性”が見えてくる。
ページ下部には製品に関連する最新のツイート50件を表示。最大で3カ月分までログをさかのぼれる。発売済みの製品であれば、Amazonのレビューも合わせてチェックできる。ここではより具体的に、製品の評判をチェックできるわけだ。発売前の製品であれば、最新情報などが発表されたときに「反応ツイート」が並ぶため、ニュースの見逃しがなくなる。
ここまでは、ログインしなくても使える機能だ。
Twitterアカウントを使ってログインすれば、さらに「欲しいmonoリスト」「買ったmonoリスト」を作成できる。製品個別ページで「欲しいmonoに追加」「買ったmonoに追加」ボタンをクリックすればいいだけなので、使い方に迷うことはない。
こうして作成したリストは、画面右上の「マイmono」から確認できる。リストでは各製品に関連する最新のツイートを表示しており、「気になっているモノとその評判」を合わせて一覧できるのだ。単なるリストではなく、「他ユーザーからの評価」=「購入の意思決定に関わる情報」を同時に得られるという意味で、これはなかなか良くできたユーザーインタフェースではないだろうか。
リストに登録したいモノは右上の検索窓から探せばいいが、まだ誰もリストに登録していない製品の場合は、あなたが自分で「Twimonoに登録」しよう。やり方は「Twimonoとは」のページで画像付きで解説されている。
機能がシンプルで使いやすいTwimonoだが、いくつか気になる点もある。
まずは何と言っても、現時点でAmazonに登録されている製品しか選べないところ。サイト構成上仕方ない部分もあるのかもしれないが、欲しいモノのリストをTwimono上だけで完結させたい人にとってはちょっと厳しい。Amazonレビューなどのデータは空白でもいいから、どんな製品でも登録できるようにはならないものだろうか。
欲しいモノがAmazonで売っていない場合の代替案としては、直接関係ない製品をリストに登録しておいて、「その製品のキーワードとして欲しい製品名を設定する」というやり方がある。例えば、適当なラー油製品をリストに登録しておいて、そのキーワードに「辛そうで辛くない少し辛いラー油」「桃ラー」などを追加するわけだ。ただし、後述の理由もあり、この方法はあまりオススメしたくない。
もう一つの気になる点は、製品ごとのキーワードを誰でも自由に編集できてしまう点だ。これは見方によってはこのサービスの良い点でも、悪い点でもある。
先ほど挙げた例のように、製品に直接マッチしないキーワードが増えてしまうと、レビューに正確性を欠く。現に、不適切と思われるキーワードが含まれているばかりに、製品とは程遠いツイートばかりが表示されているケースもあった。
集合知によって精度を上げていくのか、逆にノイズが増えてしまうのか。Twimonoに限らず、「ユーザーの良心まかせの運営」になりがちなソーシャルサービスにとって、このあたりの問題は難しいところだ。
Twimonoの開発・運営を行っているのは、以前にBiz.IDでも紹介した「meyou.jp(みゆ)」や「Inbook」の開発者でもある@tamu515氏。これら一連のWebサービスからは、コンセプトを取っても、インタフェースを含むデザイン面を見ても、「ユーザーにとって便利なこと」を追求していこうという意思を感じる。既存サービスのブラッシュアップも含め、新サービスなど今後の展開も非常に楽しみだ。
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