図書館に行きたくなるWebサービス「カーリル」を試してみようWebサービス図鑑/レビュー

全国の図書館から書籍を検索し、蔵書の有無や貸し出しの可否を調べられるWebサービス「カーリル」。簡単な使い方と各種設定方法をまとめてみた。

» 2010年03月17日 11時45分 公開
[杉本吏,Business Media 誠]

 全国の図書館に対応した蔵書検索サービス「カーリル」がWeb上で話題になっている。3月10日の公開以来、1500を超えるはてなブックマークを集め、公式Twitterアカウント@caliljpにもユーザーから多くの要望が寄せられている。

 運営元は米Nota。メモ帳&クリッピングソフト「紙copi」の開発などで知られる洛西一周氏がCEOを務める企業だ。米国に拠点を置くNotaだが、カーリルの80%以上は岐阜県中津川市での開発合宿で開発されたという。今回のWebサービス図鑑では、そんな“ほぼ国産”Webサービス・カーリルの基本的な使い方をお届けしよう。

カーリル

まずはログインしておこう

 カーリルにアクセスしたら、さっそく読みたい本を検索……してみたいところだが、先に各種設定を済ませておいた方が後々便利だ。カーリルはログインしなくても使えるサービスだが、ログインすることで「検索対象とする図書館の設定&履歴の保存」や「読みたい本をリストにして印刷」といった機能が使えるようになる。

 というわけで、まずは画面右上からログインしておこう。ログインには「Google」「Yahoo!JAPAN」「mixi」の各アカウントがそのまま使えるので、既にこれらのWebサービスを使っている人なら、わざわざ会員登録をする必要はない。


通えそうな図書館を選ぼう

 ログインしたら、トップページの「図書館を選ぶ」をクリック。すると日本地図のウィンドウがポップアップする。地図上をクリックしてエリアから選ぶか、市区町村名などをフォームに入力して検索すると、指定した地域の図書館が自動で検索対象に設定される。

フォームに「千代田区」と入力して検索すると……

千代田区内で同じ図書館検索システムを使用している図書館すべてを、自動で検索対象に設定してくれる

 初めて使うときは、この画面で「さらに詳しく設定」を選んでみよう。ここではデフォルトで設定された図書館のチェックを外したり、別のエリアを追加したりできる。エリアは3つまで登録できるので、自宅付近に加え勤務先など、通えそうな場所はすべて登録しておくとよいだろう。

エリアを追加し終えたら「設定を保存」しておこう

出掛ける前には「読みたい本リスト」を印刷

 ここまでで一通りの設定は完了。あとは、右上のフォームにキーワードを入力して検索するだけだ。入力するキーワードは書籍名や著者名はもちろん、「絵本」や「ミステリー」といったジャンル名でもOK。複数語を組み合わせた絞り込み検索にも対応している。

検索結果ページ

 検索結果ページには書影(表紙画像)と書籍名、著者名、蔵書の有無と貸出の可否が並ぶ。一番下には「読みたい/読んだ」ボタンがあり、ログインしていれば「読みたい/読んだ本リスト」に1クリックで登録できる。実際に図書館を訪れるときには、読みたい本リストを印刷しておくとスムーズに借りて回れるだろう。

読みたい本リスト

 各書籍ページにはAmazon.co.jpへのリンクもあるので、どうしても読みたい本が「蔵書なし」の場合はここから購入できる仕組みだ。このほか、最近のベストセラー作品の貸し出し状況や、作家ごとの著作一覧、現時点で4300を超える全国の図書館マップも用意している。


 分かりやすいユーザーインタフェースとストレスを感じさせない検索スピードで、作り込まれている印象を受けるカーリル。現時点ではPCからの利用がメインではあるが、近日中にAPIも公開予定とのことだ。携帯電話やスマートフォンからの利用はもちろん、書籍の名言を共有できる「Inbook」などのソーシャルサービスとうまく連係できたら、さらに利用者数は増えていくだろう。

 カーリルで見つけた本を借りに行った先で、自分と同じ本を探している人と出会うこともあるかもしれない。Web上で書籍と出会い、図書館というリアルな場で今度は人と出会う――。出会いをつくりだすWebサービス「カーリル」の今後に期待だ。

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