アイデアの絞り込みをカードゲームで――IDEAVote仕事耕具

アイデア出しに終始してしまいがちだが、実はアイデア出しの後、アイデアを絞り込んでブラッシュアップする作業があるのだ。この作業をカードゲームのようにやってしまおうというのが「IDEAVote」である。

» 2010年03月16日 17時15分 公開
[鷹木創,Business Media 誠]

 アイデアを出し合うブレインストーミング。「春からの新規事業をにらんで、年が明けてからブレストばっかり」という人もいるかもしれない。ところで、ブレストというと、アイデア出しに終始してしまいがちだが、実はアイデア出しの後、この中からもっとも良いものを選び出し、そのアイデアをブラッシュアップする作業があるのだ。

 ここで注意したいのは、たくさん出てきたアイデアをいきなり批判しないこと。「こんなアイデアじゃだめだよ」「これじゃ実現は不可能」などと、具体的な理由もなく批判や否定から始めると、せっかくのブレストの場が冷え込む。生まれたてのアイデアは当然ツッコミどころも多いが、大事に育てることで素晴らしいビジネスプランになるのだ。ブラッシュアップする作業は、まさに“子育て”のような気持ちが必要なのである。

 そんなアイデアのブラッシュアップをカードゲームとして楽しみながらやってしまおうというのが、アイデアプラントが3月15日に発売した「IDEAVote(アイデアボート)」。価格は6500円で、同社のオンラインショップで販売している。

 アイデアボートの特徴は、参加者がある役割に沿ってアイデアを評価すること。新規性を評価する「あたらしさん」、コストを考える「さいふさん」、儲けを検討する「いんかむさん」、技術的な実現性を考える「てっくさん」などの8つの役割を想定しており、参加者はこれらの役割に応じてアイデアをブラッシュアップする。

 評価は手元に配られた○と×の「意見チップ」で行うが、必ず○のチップから出さなければならない。つまり長所から評価するのである。○のチップを出し終えると、×のチップを出せるようになる。長所も短所もチップを出す時は「何で○なのか」もしくは「何で×なのか」を明確に伝える必要があるのだ。

 例えば、「エアコンを使用禁止にする」というアイデアの場合。さいふさんは「コスト削減につながるから○」、てっくさんも「技術的な実現は○」の一方、いんかむさんは「モチベーションや作業効率が下がるから×」――となるとする。この場合、このアイデアは○が2つを2点、×が1つでマイナス1点、合計1点と計算する。こうしていくつかのアイデアを評価し、最終的に上位のアイデアを選ぶという手法だ。

 アイデアプラントによると、プレイ時間は約20分を想定。参加者人数は2〜4人。「ほかの人が重視するアイデア評価軸を理解、共有し」「明確な評価軸をもってアイデアを検討する」ことができるとしている。アイデアの絞り込みは、最終的な企画の完成度に大きく関わる重要なステップ。お悩みの人は1度試してみるといいかもしれない。


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