ソーシャル化の時代だからこそ――『EQ こころの知能指数』藤沢烈の3秒で読めるブックレビュー

心理学博士のダニエル・ゴールマン氏が世に出した『EQ』。知性の指標であるIQに対して感情や心の指標である。他者に共感し共感される力が求められる個人化とソーシャル化の時代において、EQの重要性は増し続けている――。

» 2010年03月12日 15時00分 公開
[藤沢烈,Business Media 誠]
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 心理学博士であるダニエル・ゴールマン氏が1995年に世に出しベストセラーとなったのが『EQ』。知性を指標化したIQに対し、感情/こころの“知能指数”であるEQを重視すべきだと示唆した1冊だ。

EQとはなにか

 自分と他人の感情を取り扱う力がEQであり、領域は5つに分かれるという。

 自分の感情を扱う力について。感情に流されないよう、自らの感情を知るのが「(1)情動の認知」。不安や苛立ちをふりはらい感情を適切な状態にするのが「(2)感情の制御」。そして、目標達成にむけて自分の気持ちを奮い立たせる「(3)自分への動機づけ」がある。

 引き続き他人の感情への力について。他者への共感があることで「(4)他人の感情の認識」ができる。その上で他者の感情を受け止め「(5)人間関係の取り扱い」への力を持てる。

 以上の5つの力は学習でき、努力によって矯正・向上させることができるという。

EQが求められる時代

 国、企業、家族以上に自分自身に重きをおく人が増えている。個人を貫くために、自らの感情を理解し、自分で自分のモチベーションをあげ続ける必要がある。また企業を論理的に動かすよりも、ソーシャルメディア上で個人の心を捉えていく必要性があがっている。そのためには他者に共感し共感される力が求められる。

 個人化とソーシャル化の時代において、EQの重要性は増し続けている。

著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)

 RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1200冊超。


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