メール以外のコミュニケーションツールやコラボレーションツールを模索する連載「ツール de オシゴト」。プロジェクトリーダーを任された主人公のマコトがプロジェクトの進行管理のためにさまざまなツールを試します。連載第4回は「Basecamp」をチェック!
メールに代わるコラボレーションツールをリサーチする一方で、マコトが懸念を抱いているもうひとつのタスクが、ミーティングのセッティングである。クライアントとの定期ミーティングに加え、社内ミーティング、クリエイティブを担当する晋作とのミーティングなど、すべてをプロジェクトリーダーであるマコトがアレンジしなければならない。
マコトの会社では社内システムでグループカレンダーを運用しているが、セキュリティ上の問題から、社外からのアクセスには申請が必要。グループカレンダーを見ていないスタッフも結構いるようだ。そのため、面倒でも社内でのスケジュール調整時には一声かけるようにしている。特に土方局長は自分の手帳でスケジュール管理をしているようなので、きちんと確認をお願いする必要がある。
社外とアポイントのスケジュール調整を行う場合は、メールでのコミュニケーションとなる。この場合、
うまくいけば上記の3ステップで完了するが、相手先とスケジュールが合わない場合には、さらに4ステップ、5ステップと調整が必要になることもある。また、メールでのスケジュール調整は、相手先からすぐに返信があればよいのだが、中には数日経過してから返信がくることもあり、それまでの話の流れが分からなくなってしまうこともしばしばある。
マコトは、このような無駄な時間をかなり意識するタイプだ。例えばアポイント1回分のスケジュール調整に10分取られるとすると、1週間で10回アポイントがあれば、1カ月で約400分もの時間が奪われてしまう。この時間を半分以下に抑えることで、時間の節約にもなり、残業が減るだろうと考えている。
できれば社内/社外のスケジュール調整を、1アポイントごとに時系列で確認できるツールが使いたい。そこで、今回もまたクリエイティブ担当の晋作に聞いてみることにした。
晋作 なるほど。話をまとめると、スケジュール調整の効率化と、グループカレンダーでのスケジュール共有ができるかどうか――ここがポイントなんだな。
マコト そういうこと。GoogleカレンダーとGmailの組み合わせなんかもいいとは思うんだけど、この2つはパーソナルユースが中心だろ。やっぱりグループカレンダー機能が弱い感じでさ。
晋作 そうか。それなら……例えば米国だと、37Signalsのプロジェクト管理ツール「Basecamp」なんかが有名だよ。統合型のプロジェクト管理ツールなんだ。
マコト 統合型っていうと、どんな機能があるんだ?
晋作 まずはマコトの要望にもある、アポイントメント、メッセージング、ファイル共有。ほかにも、ToDoやマイルストーンなんかの、プロジェクトで利用できる機能が統合されてるんだ。でも日本語サービスがないところがネックかな。
マコト うーん。ちなみに費用はどのくらいだろう。
晋作 最も安いプランで月額24ドルだったと思う。15プロジェクトまで利用できて、そうだ、何といっても利用可能人数は無制限だぞ。
マコト おー、安いねえ。でも日本語でのサービスが無いとなると、クライアントに利用してもらうには抵抗感があるな。日本のサービスはどう?
晋作 去年ブログかニュースで見た記憶があるんだけど、たしか「Fresh Meeting」というサービスがあったと思う。トライアルができたはずだから、とりあえず試してみれば?
晋作からのアドバイスで、マコトは37SignalsのBasecampをリサーチしてみた。Basecampは、機能的には今回のプロジェクトで導入したいサービスに“ストライク”のサービスだったのだが、やはり日本語でのサービスがないことで、断念せざるを得なかった。
そこで続いてマコトは、晋作からのもうひとつのアドバイスである「Fresh Meeting」を試してみることにした。(つづく)
今回紹介したツール de オシゴト | 概要 |
---|---|
Basecamp | アポイントメント、メッセージング、ファイル共有、ToDo、マイルストーンなどの機能を統合したプロジェクト管理ツール。米国の37Signalsが提供しており、日本語版は用意していない。 |
Gmail | ご存じGoogleのWebメールサービス。ビジネス向けGmailは1ユーザーあたり25Gバイトのディスクスペースを利用できる。 |
Google カレンダー | Gmailと連係し、予定の管理、スケジューリング、共有オンラインカレンダー、携帯端末カレンダーとの同期などの機能を利用できる。 |
フィードパスCTO兼feedpath Rooms エバンジェリスト。シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。技術開発担当取締役としてネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。
2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。Zimbraの日本市場展開、ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当するとともに、3月サービス開始予定のメールに変わる次世代企業間コラボレーションツールのfeedpath Roomsのエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントはfeedpath。
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