『<就活>廃止論』――ジョブウェブ佐藤孝治さんTwitter読書

“就活”が終わろうとしている。大量一括採用時代が終わり、採用側・学生側の双方に取り組むべき姿勢を訴えたのが『<就活>廃止論』である。

» 2010年01月29日 08時35分 公開
[藤沢烈,Business Media 誠]
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 “就活”が終わろうとしている。ここでの就活とは、大量一括採用の企業慣習に対する大学3年生や大学院1年生の活動のこと。雇用の流動化が進み、企業が自前主義にこだわらなくなってきたためだ。その状況をポジティブに捉え、採用側・学生側の双方に取り組むべき姿勢を訴えたのが『<就活>廃止論』。著者は就職支援会社であるジョブウェブの佐藤孝治社長である。


ミスマッチが続発

 就活が崩れつつあるといっても、その潮流に乗り切れていない企業や学生は多い。採用側は「大量にエントリーさせて大量に落とす」という無駄を繰り返すが、いい人材は集まらないし内定者辞退も増えている。学生側は就職時期に自己分析や企業分析を突如準備しはじめるが、就職戦線のあおりの中で自分を見失い、自分にあった就職ができない結果に終わる例も多い。

これからの就活とは

 現在すでに、少数の企業や学生は新しい潮流の就職活動を実現しているという。

 採用側は、時間をかけて候補者の母集団を育成する。これは大量にエントリーさせてデータを増やすのではなく、体験型セミナーやインターンを通じて少しずつ自社に関心ある学生を増やすことだ。

 学生側でも革新型人材は早い段階で「社会化」を果たす。学びと社会化を両立させ、「プロ学生」と呼べるような、インターンにも関わらず社員以上の成果を出す学生は増えている。

 しかし、そうした企業や学生は全体の5%程度に過ぎないという。今後さらに雇用環境が成熟するには、「<就活>の終了」を企業と学生の双方が認識すべきなのだろう。

○『<就活>廃止論』の著者:佐藤孝治さん(Twitter

 ジョブウェブ代表取締役社長。シェイク社外取締役。大学4年生の96年10月ジョブウェブを創設。97年7月、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。99年10月、ジョブウェブを法人化。学生の就職支援と企業の採用支援を通じて学生と企業の本音コミュニケーションをサポートしている。

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著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)

 RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1200冊超。


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