もう削れるコストなんてない!? 通信コスト削減の3つのポイントオフィスの電話コスト、削減方法教えます

どの企業もあらゆる項目のコスト削減への取り組みに注力し続けている昨今、「もう削れるコストなんてない」というのが本音。だが、通信分野は常に新しいサービスが登場している。そんなサービスを組み合わせたり、一括請求してみたり、実はも少しコストダウンができそうなのだ。

» 2010年01月18日 09時30分 公開
[SOS総務]
SOS総務

誠 Biz.ID編集部より

 どの企業もあらゆる項目のコスト削減への取り組みに注力し続けている昨今、「もう削れるコストなんてない」というのが本音。だが、通信分野は常に新しいサービスが登場している。そんなサービスを組み合わせたり、一括請求してみたり、実はも少しコストダウンができそうなのだ。今回の特集ではオフィスの通信分野にフォーカスを絞り、コスト削減を考える。


本記事は『月刊総務』(2009年2月号)に掲載されたものを転載したものです

 2007年度の総務省の調査によると、過去3年間に企業通信網やユビキタス関連ツール、プログやSNSなどのインターネットのサービスに対する情報化投資を行った企業は、全体の45.2%だった(「2007年度通信利用動向調査」より)。情報化への投資にはどのような効果があるのだろうか。

 右の表は、情報化投資が経営にどの程度効果を与えているかを企業に聞いたものだ。どの項目でも30%以上の企業が効果があることを認めているが、中でも「商品・サービスの質の向上」「商品・サービスの範囲の拡大」「生産・販売方法の多様化」「生産単位当たりの労働コストの削減」と回答する企業が比較的多くなっている。また、情報化投資を行うことによる、労働生産性(従業員1人当たりの営業利益+人件費)は650万円で、情報化投資をしていない企業に比べて145万円高くなるという結果が出ている。

 どの企業もあらゆる項目のコスト削減への取り組みに注力し続けている昨今、「もう削れるコストなんてない」というのが本音だろう。インターネットや携帯電話などの情報通信にかかるコストも例外ではない。インターネットや携帯電話が浸透し始めた1990年代は、通信にかかるコストが高かったため、少しの工夫やサービスの見直しによって目に見えて削減効果があった。そのため、企業の経費削減の手段として、まず挙げられていたのが通信コストだった。

 その後、インターネットや固定電話などの料金体系やサービス体系がどんどん変わり、すでに見直しを実施している企業の担当者は、これ以上の削減を行うのは難しいと思っているだろう。しかし、情報通信にかかわるコンサルティングを行っているオーティ・コムネットの専務取締役・本間豊隆さんと、同常務取締役・成田裕一さんは「多くの企業で、通信コストはまだ下げられる」という。

 顧客の実情に合った通信サービスの提案や、請求一括サービスでコスト削減のサポートをしている同社では、まず、通信データの詳細な分析を行う。その際、「移転や統廃合、社内のレイアウト変更で使われなくなった回線が、そのまま放置されているケースを見つけることが非常に多いです」と成田きん。また、本社や支社などそれぞれの拠点で通信費の予算を組んでいると、拠点ごとに異なるサービスを利用していたり、携帯電話のキャリアが違ったり、せっかくのスケールメリットを生かせていない企業も多いという。

 「通信コストの削減には、まず『無駄な回線がないかどうかのチェックをして、あれば解約する』『携帯電話はキャリアと交渉して有利なサービスを提供してもらう』『固定電話、携帯電話、インターネット回線、データ用の回線など複数の請求を一括するサービスなどで業務コストを下げる』の3つの方法が効果的です」と本間さん。

 情報通信にかかわる投資は経営効率や生産性の向上に効果があるが、その効果を上回る投資にならないよう、バランスを取らなくてはならない。また、各通信会社からは次々と新しいサービスが出ている。どのサービスが自社にとって最適なのか、専門家でなければ判断できないほど複雑になっているのが現状だ。社内に専門の部署や人材がいなければ、どの通信会社にも属さない中立な立場のコンサルタントに依頼するなど、プロのサポートを受けるのも的確な投資だといえるだろう。

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