あなたは外出の直前になってトイレに駆け込んだりしていませんか? 心理学で指摘される「よく遅刻する人の行動パターン」の1つに、「重症ではない完璧主義」や「ごく軽度の強迫神経症」があります。
社会人としてどうかと言われてしまうかもしれませんが、とにかく遅刻が多いのが悩みです。5分から10分程度の遅刻がほとんどなのですが、解決のためのいいツールはないでしょうか。
わたしは以前から、「遅刻してしまう」という人のちょっとした心理的問題を探ってみたいと思っていました。2時間も3時間も遅刻するとなると話は別ですが、5分から10分程度の遅刻は、性格もまじめで行動もそれなりにテキパキしている人にも多いことですし、不思議に思っていたのです。
心理学で指摘される「よく遅刻する人の行動パターン」の1つに、「重症ではない完璧主義」や「ごく軽度の強迫神経症」があります。どちらも同じような結果に至るのですが、要するに「あれもこれも心配になり、あれもこれもやっておきたい」と言っているうちに、出発時間が遅れるのです。
例えば、この種の人はよく、出発直前になってトイレに駆け込みます。移動中にトイレが見つからないことが心配になるのでしょう。また、きちんとした地図をプリントアウトしておかないと心配になりますし、待ち合わせ場所と時間を、直前になって「もう一度」見直します。
それやこれやの細々としたことをたくさんやっているうちに、予定よりほんの少し、出発時間が遅れてしまうのです。けっこう多めの時間を事前に見積もっておいたにもかかわらず、結局待ち合わせ時間ギリギリか、少し遅れて到着することになります。
わたしは今では、この手の人にはiPhoneを買うことをおすすめしています。iPhoneさえ持っていれば、出発前にすることを大幅に減らすことができるからです。iPhoneと財布を握りしめて飛び出せば、だいたいのことは何とかなるはずです。
例えば、待ち合わせ場所と時間が記されているメールは、iPhoneですぐにチェックできるでしょう。その場所を元にした地図もiPhoneで簡単に確認できます。そこへ行くための経路も「乗換案内」などを使えば調べがつきますし、「えきペディア地下鉄マップ東京2010(地下鉄案内)」(115円)などを使えば、最寄りのトイレの場所も分かります。
さらに、以上のことを調べながらでも電話ができ、iPhoneは待ち合わせには最強のツールと言えます。「出かける前の不安」を事前につぶしておくことは、完全には難しいもの。それならば、出かけてからも不安を解決できるようにしておくことが得策ではないでしょうか。
ペン立ての中身。すきま時間の5分を使えばすっきり整理できますよ。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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