「我々はこのリーダーシップのコンテンツはとてもいいと思います。でも、我々の部署のリーダーたちがこれを理解してくれないんです。彼らこそ、研修が必要でしょう」
もし相手に問題があると思ったら、そういう考え方自体が問題なんだ。
――スティーブン・R・コヴィー
数年前、私はパートナー数人とともに、大手多国籍企業の社員何人かを相手にコンサルティングをしていた。彼らの最初の反応はこうだった。「我々はこのリーダーシップのコンテンツはとてもいいと思います。でも、我々の部署のリーダーたちがこれを理解してくれないんです。彼らこそ、研修が必要でしょう」
しばらくして、我々はそのリーダーたちに内容を提示した。彼らの反応はこうだった。「我々はあなた方のおっしゃることすべてに同感です。この手法は素晴らしいと思います。問題は我々の上司ですよ。彼らこそこれを勉強する必要があるんじゃないでしょうか」
我々がその上司たちにこれを説明すると、彼らはこう言った。「我々はこれをとても買っています。とても洞察力に富んでいて、参考になりますよ。でも、5つの部署のリーダーたちがこれを理解してくれないんです。彼らはこれを学ぶ必要がありますね」
そのリーダーたちは、部署を監督・管理する経営幹部たちが問題だと言った。経営幹部たちは、問題はCEOにあると言った。ついにCEOに到達すると、彼はこう言った。「この内容は素晴らしいが、私には権限がないから、どうすることもできない。取締役会がすべて握っているから」 取締役会に持って行けば、問題はウォール街だと言ったに違いない。
(『スピード・オブ・トラスト』48〜49ページより抜粋)
開催概要 | |
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日程 | 2010年2月18日(木)〜2月19日(金) |
時間 | 9時〜17時(2日間とも) |
料金 | 10万1850円 |
会場 | フランクリン・コヴィー・ジャパン セミナールーム(東京都千代田区麹町) |
「どんな状況であれ、信頼ほど即効性が期待できるものはないと断言できる。そして、世間の思い込みに反し、信頼は自分でなんとかできるものなのだ」――。
『7つの習慣』で著名なコヴィー博士の息子、スティーブン・M・R・コヴィーが、ビジネスにおける“信頼の力”を体系化したのが本書『スピード・オブ・トラスト』。
企業の不祥事や社内の権力争い、人間関係の崩壊などが問題視される昨今、新しいリーダーに求められる能力とは何なのか。私たちが行うあらゆる活動の質に働きかける信頼の力を、本書中の“名言”を抜粋しながら解説します。
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