人間関係もビジネスもうまくいく――忘年会幹事のチェックポイント20研修に行ってこい!

宴会シーズン真っ盛り。忘年会でしっかり1年を締めておきたいものです。今回は、人間関係もビジネスもうまくいく忘年会コーディネート術を紹介します。

» 2009年12月15日 18時00分 公開
[原田由美子,Business Media 誠]

 宴会シーズン真っ盛りですね。景気の先行きが不透明な時期だからこそ、来年に向けて気持ちを切り替えたいところ。そのためにも、忘年会でしっかり1年を締めておきたいものです。今回は年明けから好スタートを切るチームになれる、忘年会コーディネート術をご紹介します。

そもそも忘年会とは?

 毎年やってくる忘年会シーズン。おいしい料理を食べて、飲んで盛り上がって、記憶を失くす、なんて無礼講が許される場ですよね。そんな忘年会の意味を大辞林で調べてみました。

 年末にその1年の苦労を忘れるために行う宴会。<<季 冬>>

 この意味から考えると、多くの人にとって努力が報われにくかっただろう2009年は、忘年会が目的に適った行事といえそうです。せっかくなので、忘年会を次につなげる有効な場にしてみませんか? 例えば、幹事を任す(任される)ことでセンスを磨く、交流を深めることで来年以降の仕事を円滑に進めてみてはいかがでしょうか。

すべては段取りにあり!

 それでは、忘年会の段取りを確認しておきましょう。チェックリストを作ってみましたので、参考にしてください。なお、友人同士の忘年会ならば、ここまでの細かい段取りは不要かもしれません。このチェックリストは、比較的フォーマルな忘年会を想定したもので、「参加して良かった」「また参加したい」と言われる、段取り上手な幹事のコツを入れておきました。こうしたチェックリストを確認しながら、自分の段取りに役立てたり、人の段取りを観察することで、センス磨きに役立ててみてください。

段取りポイント最重要
1. 参加者を決める参加者の中で、記念日の人がいないかなども、確認しておきます。
2. テーマを決めるテーマを決めると、お店選びや会場が選びやすくなります。また、参加する方も一体感を持てるので、楽しさが増します。
3. 予算を決める
4. お店を選ぶ日ごろ使い慣れていないお店を活用する時は、ランチタイムに行って雰囲気を見ておきます。テーブルの配置や、個室の有無、化粧室などを見ておきます。
5. お店の周辺もチェック駅からの経路(薄暗くないか、目印の建物)や、2次会の場所、電車の経路、終電時間なども見ておきます。特に参加者で、最も遠い人の終電時間を確認しておくと安心です。
6. 役割分担を決める幹事、司会、乾杯のあいさつ、締めのあいさつ、お手伝いしてくれる方などテーマと個性が生きるように役割を決め、お願いをしていきます。
7. 案内を作る・送る
8. イベントなどのアイデアを考える人数の多い忘年会の時は、一芸を披露してもらえそうな人、くじ引きやビンゴなどの景品つきのイベント、今年頑張った人の表彰など、楽しんでもらえる工夫をしておきます。
9. 当日の進行を検討するイベントや一芸披露など役割をお願いした人から、どのような内容になりそうな、ネタがばれない程度に情報収集し、当日の進行を考えます。
10. お店に交渉する当日の進行が決まったら、店に内容を伝え、料理の提供タイミングや料理、お酒やデザートでサービスなどをお願いできないかを交渉します。またほかの会社で実施して評判の良かったサービスのネタなども情報収集します。
11. 参加者の情報収集をしておく普段顔を合わせない参加者の人が多い場合は、参加者の近況や、参加者に伝えたいことなどを情報収集しておきます。
12. 参加者リストを作成する人数が多い場合、知らない人が多い場合は、参加者リストと、参加者の近況情報などを作成し配布すると、交流が図りやすくなります。※個人情報の配慮もしておきましょう。
13. 参加費を集める必要に応じて、領収書なども用意しておきます。
14. 食べ物/飲み物食べ物、飲み物や、取り分けるお皿などに過不足がないか、気を配ります。
15. 参加者交流1人でいる人、溶け込めていない人がいたら、話しかけたり、周囲の人を紹介します。
16. 締めのあいさつ早く帰る人や、終電時間が早い人などのタイミングに合わせて、仮じめのあいさつをいれるのも一考です。お店の人に伝えておくと、デザートなどタイミングに合わせて、案内がしやすくなります。
17. 次の予定2次会がある場合は、参加人数を確認。場所などを伝えた上で、案内担当の方を伝える。地図があると便利。
18. 後片づけ忘れ物がないかなどを確認し、店員にお礼を。
19. 会計収支の報告参加者へお礼と、会計収支報告が必要な場合はそれを含めてメールをしておきましょう。次につながるようなメッセージが書ければ、なおよし。
20. お礼メール

 上記のような段取りが必要のないケースも多いでしょう。しかしチームビルディングやプロジェクトのマネジメントなどでも重要となる「2. テーマを決める」「6. 役割分担」「15. 参加者交流」の3点は、しっかり押さえておくことをオススメします。そして次の2点は、主催者側にとっても、参加者側にとっても大事なポイントになります。

  1. 事前案内のメールに一工夫すること
  2. 会話を楽しむこと

事前案内メールへの一工夫

 主催者は、参加者に期待感を持たせたいところ。そのことを表現するために、メールなどでご案内する際に+αで表現をしておくと効果的です。例えば、

  • 特別ゲストの案内
  • (店の)紹介者とその店の関係
  • 料理、お酒、デザートなどに特徴がある
  • 店の周辺が人気のスポットである
  • 披露予定のイベント

 などです。

 また、当日ゲストリストを作成したら、参加可否とともに、近況や参加者へPRしたいことなども聞いておくといいでしょう。そして、参加する方への気配りとして、

  • 当日仕事の都合で遅れそう、早く退出しなければならない
  • 体質的に合わない食べ物、飲み物がある
  • 乗り継ぎや、終電時間などが気になる

 なども聞いておくと段取りがしやすくなります。

 一方参加者は、企画者へのねぎらい+一言コメント(会への期待、近況報告、PRしたいこと)などを付記しておければ、上級者です。

会話を楽しむこと――初対面でも話が弾む話題とは?

 気心が知れた仲間ばかりであれば問題はありませんが、目上の人、普段顔を合わせない人、初対面の人との会話で困ることもありますよね。

 仕事の話や共通の知人、趣味の話で盛り上がることが多いですが、ちょっとしたネタを準備しておくのも一考です。その時のネタ選びのポイントは、だれでも知っていて、その話を聞いたことで、自分も口コミしたくなる話題などが喜ばれます。

 例えば先日発表になった、「2009ユーキャン新語・流行語大賞」の大賞となった「政権交代」以外に、「自分はこれを押していた!」という話をするのも面白いでしょう。また「世界の流行語」から話を広げていくのもいいかもしれません。米国のGlobal Language Monitorという会社が、独自でアルゴリズム調査・解析を行った結果、2009年最も流行した英語の単語は「Twitter」だったそうです(参照記事)。

 お互いのことをより深く知り、楽しい場を共有することで、チームワークもよくなります。仲間作りの場、忘年会をぜひ楽しんでくださいね。


著者紹介:原田由美子(はらだ・ゆみこ)

 大手生命保険会社、人材育成コンサルティング会社の仕事を通じ、組織におけるリーダー育成力(中堅層 30代〜40代)が低下しているという問題意識から、2006年Six Stars Consultingを設立、代表取締役に就任。現在と将来のリーダーを育成するための、企業内研修の体系構築、プログラム開発から運営までを提供する。

 社名であるSix Starsは、仕事をする上での信条として、サービスの最高品質5つ星を越える=お客様の期待を越える仕事をし続けようとの想いから名付けた。リーダーを育成することで、組織力が強化され、好循環が生まれるような仕組みを含めた提案が評価されている。


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