考えるだけでなく、実際に行動し、それで成果をあげることができなければ、わざわざフランクリン・プランナー・オーガナイザーを使う意味がありません。
置かれた現状の中で、どう最善を尽くすか。あなたの価値観を実践する方法を具体的に考えていくために、「生産性のピラミッド」はあなたに大きなヒントを与えてくれるはずです。それでは、このピラミッドについて、下から順に説明していきましょう。
価値観とは日々のあなたの言動すべてを支えている源といえます。どんな判断も行動も、あなたの持つ価値観が土台となって行われています。常にその価値観に合致した言動だけを行えればよいのですが、私たち人間は必ずしも価値観と一致した選択をしない場合もあります。
そうなる要因として、自らの価値観を明確に把握していない場合、怠惰または安易に流されてしまう場合、そして立場上そうせざるを得ない場合などが考えられます。
自覚のあるなしにかかわらず、あなたの中にはあなただけの価値観がすでに存在していますから、価値観と合致しない行動をとれば、あなたは本音のところでストレスを感じ、何か満たされない感覚、後ろめたさ、罪悪感などを覚えることになります。そうならないためには、自分の価値観を、漠然とした形ではなく、はっきり明確な形で明らかにし、向き合う必要があります。
フランクリン・プランナー・オーガナイザーを使ってプランニングを行うということは、自分の価値観を知り、よく理解し、強く自覚しながら、それに沿ったテーマから目標を設定し、行動することであり、そのための第一歩、すべての土台となるのが「価値観の明確化」なのです。
あなたが持っている価値観を明確にしたら、次に為すべきことは「目標の設定」です。目標とは、あなたが到達したい場所や状況が具体的に表現された地点、ハイラム・スミスの言葉を借りれば期限のついた夢のことです。
期限を含め、目標を具体的に設定することで、行動に結び付けやすくなります。
例えば、あなたの価値観が「お客様に貢献すること」だった場合、その価値観を実現するために「ファイナンシャル・プランナーの資格を取得する」というのは具体的な目標といえるでしょう。
現在のあなたの目標が、あなたの価値観にかなったものであるか、ピラミッドの一番下の価値観の明確化のところまでいったん引き返して、よく検討してみましょう。
そこで、もし価値観と果たすべき目標が合致していないことが分かった場合、その目標はあなたの人生を正しい方向に導くステップではないということを意味しています。そのことを知ったあなたがとるべき道はただ1つ。価値観に沿った目標を一から設定し直すことです。目標を設定する際には、具体的で実行可能なものになるよう気をつけましょう。
目標はできる限り具体的で分かりやすい表現にしましょう。ファジーで、到達したかどうか分からない目標は、結局、実現する可能性が少なくなります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.