「図解通訳」で変わる――会議をリアルに伝える議事録の取り方世の中「四角形と矢印」でできている(1/2 ページ)

わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしています。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」を紹介。今回は経営会議の要点を「図解通訳」で伝えてみましょう。

» 2009年12月04日 15時15分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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 前回は、後輩の営業スタッフの悩みをもとに、図解通訳を行い、問題点を発見する練習をしてみました。

 今回あなたは、経営企画室のメンバーで、経営会議で社長や役員の説明や方針をメンバーに分かりやすく伝えるという役割です。通常、議事録というのは、テキスト主体で無味乾燥なものですが、図解を使って戦略をよりリアルに伝える練習をしてみましょう。


※本連載は『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)から抜粋しています。

経営会議の要点を「図解通訳」する

 企業にとって経営会議とは取締役や執行役員などが集って、事業の進捗確認や経営戦略の見直しを行うもっとも重要なミーティングです。通常、こうした会議では、財務担当が事業における予実(期初に立てた予算と実績の数値)を報告し、課題があれば、それを解消する具体的な施策を検討するのが通例です。

 ここでの図解通訳では、経営企画室のメンバーで役員が説明する会社の現状と課題、それに対して社長が打ち出そうとする営業提携のプランを1つの図解として記録し、後からメンバーに説明できるように資料を作ります。それでは、やってみましょう。


 5月20日、経営会議で、財務担当役員が今年度の予算に対する進捗を報告し、その後、社長が他企業との営業提携話をしました。

財務担当役員

 それでは、財務担当のわたしから予算と実績について報告します。今年度30億円の売上目標、3億円の利益を目標としていますが、半期がちょうど終了した時点で、売上は12億円、利益は1億円と通期に対して80%程度で推移しています。

 売上構成比は、受託開発事業が3億円、会計ソフト事業が4億円、技術者派遣事業が5億円となっており、主力の会計ソフト事業で3億円予算よりショートしています。


社長

 みなさんもお聞きの通り、この事業の早急な立て直しが必要です。そこで、この営業支援策として、X販売との営業提携を行う計画を進めています。X販売は、非常に強い法人販売チャネルを持っており、うちの会計ソフトのような商材を探していました。また、X販売が日本総代理店となっている広告管理ソフトは、うちの既存顧客へ案内することもできると思います。今回の営業提携は、お互いの商品を相手方の販売チャネルを使ってクロスセルすることを目的としたものです。


 財務担当役員が現状を報告、それに対して社長が営業提携を核とした戦略を発表しました。これをさっそく、図解通訳してみましょう!

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