理想の時間割を図解通訳で作ってみる世の中「四角形と矢印」でできている(2/2 ページ)

» 2009年12月02日 11時30分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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重要だが緊急でないタスクは、短いタスクに分解する

 ポイントは、図1の(2)のタスクがおざなりにならないように、最終目標の具体化と日常的なタスクに落とし込む細分化の2つが必要だということです。

 先ほどリストでは、「英会話の勉強」「体力づくり」などの、あいまいな課題がリストアップされていますが、このままでは、具体的なアクションプランに移れないので、細分化と具体化を行い、時間管理すべきタスクとして日々の時間割に組み込みます。その際、必ず「期限」と「目標数字」を設定するようにしましょう。

タスク「英会話の勉強」を細分化

  • 10月25日に行なわれるTOEICで800点をとる(目標の具体化と期日の設定)
  • スタートを9月3日とし、1週間単位でタスクを管理する(タスクの細分化)

photo 図2

 「英会話の勉強」の目標が具体化したので、その実現方法としていくつかのステップを計画します。最初のステップでは必要なものを買う、あるいは作ります。

 参考書や問題集は進ちょくを確認できるように、週単位での完了すべき量を明記します。試験直前は、実際の試験と同じ環境で実戦テストを行ないます。

 そして、現在から期限までに目標達成するためのプロセスに分解し、毎日やれる程度の大きさに細分化してください体力づくりは毎日無理なく行なえるように習慣化させます。これを図解通訳すると、図2のようになります。

 次に「体力づくり」です。単に「体力づくり」だけでは具体性に欠けるので、毎日行なうタスクとしてリスト化できるまで細分化を行います。ここでは、「体力づくり」に必要な項目をロジックツリーで洗い出してみましょう(図3)。

タスク「体力づくり」を細分化

  • 体力づくりを「食事」「運動」という両面から細分化し、日常的に行うタスクとしてリストアップする(タスクの習慣化)

photo 図3

1日の理想的な時間配分を図解通訳してみる

 最後に、1日のスケジュールを改めて俯瞰(ふかん)してみましょう。24時間は誰にもコントロールできない絶対的な時間ですが、その配分と、何をやるのかは個人でコントロールできます。一番やってはならないことは、「なんとなく仕事していた……」「なんとなくボーっとテレビを見ていた」というような目的が不明確で、時間の密度の低い過ごし方です。

 時間は石油などの天然資源と同様に有限です。その有限な資源をどう使うかは、人生を大きく左右する問題です。右の1日のスケジュールを見ると、健康管理のための基礎領域、将来に向けた付加価値領域がしっかりとられていることが分かると思います。「自分にとって大切な時間」「目標に向かうために必要な時間」に、貴重な時間を使うことが大事です。

 また、こうして見ると業務領域が1日10時間あります。この領域の中でも、さらに緊急案件に費やす時間と、緊急ではないが将来に向けて備える重要な案件に費やす時間が存在します。「緊急でないが重要」という案件は、必ず細分化し、毎日コツコツと準備ができるようにタスクとしてスケジュール化することが大切です(図4)。

photo 図4 1日24時間の中から、タスクを重要な順にトップオフする

(1)基礎領域

 睡眠や食事などの基礎領域は健康を維持するために不可欠な時間なので、まずトッププライオリティとして差し引く。

(2)付加価値領域

 重要だが、緊急でない領域は、将来に向けたタスク。毎日短時間でもよいので、優先的に入れる。※業務よりも先に差し引くこと

(3)業務領域

 残った時間が仕事の時間。この範囲内で業務のタスクを効率的に行なうように心がける。業務領域であっても、中期的な視野を持ち、必ず見直しをかけること。


 いかがだったでしょうか? これを参考に、ぜひ、みなさんご自身の「理想の時間割」を作ってみてください。


 次回は、お客さんとの会話をリアルタイムに図解通訳する実践練習を行ってみたいと思います。お楽しみに。


著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com


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