コンパクトドキュメントスキャナ、ScanSnapと“最強のライバル”を比べてみた(中編)ガチンコ対決!2009秋の陣(2/3 ページ)

» 2009年12月02日 08時30分 公開
[山口真弘,Business Media 誠]
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テスト2:解像度や補正オプションによる速度差、および画質をチェック

 では次に、解像度や補正オプションによる読取速度の違いについて見ていこう。今回は、以下の4つのパラメータについて、組み合わせを変えつつテストを実施した。

変動するパラメータ

  • 解像度(150dpi/300dpi)
  • カラーモード(24bitカラー固定/カラー白黒自動判別)
  • 文字向き検知(あり/なし)
  • OCR(あり/なし)

固定のパラメータ

  • 斜行補正(つねにオン)
  • 白紙自動削除(つねにオン)
  • サイズ判定(自動)
機種 解像度 カラーモード 文字向き検知 所要時間
(OCRなし)
所要時間
(OCRあり)
PFU ScanSnap S1300 150dpi 24bitカラー固定 なし 0分37秒 1分45秒
あり 0分36秒 1分35秒
カラー白黒自動判別 なし 0分37秒 1分48秒
あり 0分37秒 1分33秒
300dpi 24bitカラー固定 なし 1分23秒 2分48秒
あり 1分22秒 2分57秒
カラー白黒自動判別 なし 1分29秒 2分41秒
あり 1分28秒 2分58秒
キヤノンimageFORMULA DR-150 150dpi 24bitカラー固定 なし 0分28秒 0分31秒
あり 0分51秒 0分53秒
カラー白黒自動判別 なし 0分55秒 0分58秒
あり 1分7秒 1分9秒
300dpi 24bitカラー固定 なし 1分7秒 1分9秒
あり 0分58秒 0分59秒
カラー白黒自動判別 なし 1分18秒 1分21秒
あり 1分14秒 1分17秒

 具体的な傾向を見ていこう。まずPFU ScanSnap S1300。カラーモード判定と文字向き検知のオンオフは処理速度にほとんど影響せず、150dpiではいずれも30秒台と高速だ。しかし解像度を上げて300dpiにすると1分20秒台とガクンと速度が落ちる。さらに極端なのはOCR処理で、OCRがない状態と比較すると所要時間が2〜3倍に増加する。スキャンとOCR処理が別工程に分かれており、スキャンの完了後にOCR処理用のアプリケーションが起動する流れになっていることが影響している格好だ。

 いっぽうのキヤノンimageFORMULA DR-150は、150dpiでカラー自動判別と文字向き検知をオフにした状態では28秒とぶっちぎりの速さだが、それら補正オプションをオンにすると極端に速度が低下し、むしろPFU ScanSnap S1300よりも遅くなってしまう。ただし解像度を150dpiから300dpiに変えてもほとんど速度差がないため、300dpiに固定してスキャンをするのであればPFU ScanSnap S1300より有利だ。さらにOCRをオンにしても数秒程度の違いしかないため、つねに検索可能なPDFを求めるのであれば、PFU ScanSnap S1300に比べて優位性は高いだろう。


S1300 300dpi ACアダプター利用 OCRあり
DR-150 300dpi USBケーブル2本利用 OCRあり

 ちなみに、前編で基本スペックを比較した際は、公称値でおよそ3倍もの速度差があったわけだが、これはキヤノンimageFORMULA DR-150が初期設定において補正オプションの一部(カラーモード判定、向き補正)がオフになっているからではないかと思われる。上記の表でも、150dpiで24bitカラー固定・文字向き検知オフの場合は28秒で、同一条件のPFU ScanSnap S1300の37秒より圧倒的に速いが、カラー白黒自動判別・文字向き検知オンに切り替えると51秒となり、PFU ScanSnap S1300の37秒よりも遅くなってしまう。

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