では次に、解像度や補正オプションによる読取速度の違いについて見ていこう。今回は、以下の4つのパラメータについて、組み合わせを変えつつテストを実施した。
機種 | 解像度 | カラーモード | 文字向き検知 | 所要時間 (OCRなし) |
所要時間 (OCRあり) |
---|---|---|---|---|---|
PFU ScanSnap S1300 | 150dpi | 24bitカラー固定 | なし | 0分37秒 | 1分45秒 |
あり | 0分36秒 | 1分35秒 | |||
カラー白黒自動判別 | なし | 0分37秒 | 1分48秒 | ||
あり | 0分37秒 | 1分33秒 | |||
300dpi | 24bitカラー固定 | なし | 1分23秒 | 2分48秒 | |
あり | 1分22秒 | 2分57秒 | |||
カラー白黒自動判別 | なし | 1分29秒 | 2分41秒 | ||
あり | 1分28秒 | 2分58秒 | |||
キヤノンimageFORMULA DR-150 | 150dpi | 24bitカラー固定 | なし | 0分28秒 | 0分31秒 |
あり | 0分51秒 | 0分53秒 | |||
カラー白黒自動判別 | なし | 0分55秒 | 0分58秒 | ||
あり | 1分7秒 | 1分9秒 | |||
300dpi | 24bitカラー固定 | なし | 1分7秒 | 1分9秒 | |
あり | 0分58秒 | 0分59秒 | |||
カラー白黒自動判別 | なし | 1分18秒 | 1分21秒 | ||
あり | 1分14秒 | 1分17秒 | |||
具体的な傾向を見ていこう。まずPFU ScanSnap S1300。カラーモード判定と文字向き検知のオンオフは処理速度にほとんど影響せず、150dpiではいずれも30秒台と高速だ。しかし解像度を上げて300dpiにすると1分20秒台とガクンと速度が落ちる。さらに極端なのはOCR処理で、OCRがない状態と比較すると所要時間が2〜3倍に増加する。スキャンとOCR処理が別工程に分かれており、スキャンの完了後にOCR処理用のアプリケーションが起動する流れになっていることが影響している格好だ。
いっぽうのキヤノンimageFORMULA DR-150は、150dpiでカラー自動判別と文字向き検知をオフにした状態では28秒とぶっちぎりの速さだが、それら補正オプションをオンにすると極端に速度が低下し、むしろPFU ScanSnap S1300よりも遅くなってしまう。ただし解像度を150dpiから300dpiに変えてもほとんど速度差がないため、300dpiに固定してスキャンをするのであればPFU ScanSnap S1300より有利だ。さらにOCRをオンにしても数秒程度の違いしかないため、つねに検索可能なPDFを求めるのであれば、PFU ScanSnap S1300に比べて優位性は高いだろう。
ちなみに、前編で基本スペックを比較した際は、公称値でおよそ3倍もの速度差があったわけだが、これはキヤノンimageFORMULA DR-150が初期設定において補正オプションの一部(カラーモード判定、向き補正)がオフになっているからではないかと思われる。上記の表でも、150dpiで24bitカラー固定・文字向き検知オフの場合は28秒で、同一条件のPFU ScanSnap S1300の37秒より圧倒的に速いが、カラー白黒自動判別・文字向き検知オンに切り替えると51秒となり、PFU ScanSnap S1300の37秒よりも遅くなってしまう。
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