ただの名刺よりも目立つ――iPod touchでネームプレートを作ってみたiPod touchだってできるもん

iPhoneの購入を断念した筆者ですが、iPod touchを手に入れました。iPod touchの特徴を生かしたアイデアを考えて実験、実践。今回はデジタルネームプレートを使ってみます。

» 2009年12月01日 20時30分 公開
[石井力重,Business Media 誠]

 近年iPhoneアプリを目にすることが増えました。筆者が初めて見たのは1年前の真夏の京都。誠 Biz.IDのT編集長が「じゃーん、これで、ビールが飲めるんですよ!」と自慢気に見せびらかしていたのです。「この人は何を言ってるんだろう。飲めないビールなんか、うらやましくなんかない!」と思いつつも、楽しそうなT編集長を思い出すたびに、エア・ビールのアプリ「iBeer」が欲しくなったものです。

 その後、縁あってカヤックさんとiPhoneiPod touchアプリのリリースするようになりました。開発事例を見せるためには、ハードが必要です。しかしNTTドコモ家族割に加入している筆者。妻はiPhoneへの乗り換えに猛反対。あえなく購入を断念しました……。

 セカイカメラに興じたい気持ちは捨てきれないものの、iPod touchを購入することに。iPod touchは通話機能が付いていない分、思い切った使い方ができることが魅力です。そこでハードの特徴を生かしたアイデアを考えて実験、実践してみました。7回に渡ってご紹介します。

遠くからでも目に飛び込んでくる「ネームプレート」

 以前交流会で「PCから設定できるLEDネームプレート」を見かけ、遠くからでも名前がよく見えました。ただの名刺よりも、自然と目に飛び込んできます。iPod touchで同じことをしてみようと考え、早速試してみました。iPhoneではなく、iPod touchをネームプレートとして使う利点は、突然電話がかかってこないところ。ネームプレートを見せているときに、タイミング悪く競合他社から電話がかかってきたなんてシーンもなく安心して使えます。

用途アイデア名 交流会のデジタルネームプレート
3つの効果 1. うす暗くても、明るくても、はっきりと見える
2. 大きな字で見せられる
3. ほかのコンテンツも見せやすくなる
必要な道具 ・ネックストラップ
フロシキシキ(透明な樹脂製のカードケース。デザイン性の高いアイテムを置いている博物館のショップなどで購入できます)

  • 1. まず名刺の画像データを用意する(画像データが、手に入らない場合は、スキャナなどで高解像度の画像として読み取る)
  • 2. iPod touchに入れる(iTunesで転送)
photo

  • 3. 表示させる。名前部分だけを画面いっぱいにする
  • 4. フロシキシキというケースに、ネックストラップを通して、iPod touchを入れて、首から下げる
photophoto 写真は昼間の電車の中で撮影しましたが、十分な輝度があり、くっきりと見えます

 iPod touchの厚みがあると、普通のカードケースでは入りません。相手に見せるものなので、ケース自体が見栄えが良くシンプルである必要があります。フロシキシキは手に入れにくいのですが、その条件を満たしています。樹脂製のカバーのおかげで、知らぬ間に画面に触ってしまうことも防げます。また、上からゆっくりと指を押し付けると、かなり反応が鈍いですがある程度動かすことも可能です。


  • 5. 名刺交換の時に、相手の視線がよくiPod touchに行くので、説明とともに、少しほかの資料も表示して見せる

 プレゼンの資料、ショート動画などをすぐに見せられるように入れておきます。話が終わったらすぐに名刺を表示できるように、下4つのエリアに写真とビデオのボタンを入れておきます。

 なお、自動オフの機能は切っておきましょう。テストの結果、画像の表示だけならずっと出しておいても、3時間以上はもちました。テスト条件としては、ほぼ新品のiPod touch 8Gバイト、画像表示、常時点灯以外の操作はありません。

  • アイデアの評価:★★★★☆

 評価は星5つ中4つ。iPod touchで表示する交流会のデジタルネームプレートは、くっきりと光る画面でとても強い印象を残し、iPod touchの特性を生かせます。またデジタルネームプレートからの流れで資料も見せるのと、懐から説明用の画像を取り出して見せるのでは、圧倒的に前者の方が見せやすいです。

 難点は、フロシキシキというケースの入手が難しいこと、そして満充電にしておかないとバッテリーが切れてしまう場合があるということでしょう。

 なお、動画でネームプレートを表示することも試してみました。交流会の席上はうるさいので、ビデオコンテンツの「音」はほとんど聞き取れません。また、作成のハードルが少し高いほか、コンテンツが頻繁に変わり、肝心な時に名前を見せられないこともあるため、「ごくたまに別のコンテンツを表示する」程度の紙芝居のような動画が適当のようです。

 次回は、iPod touchで離れた家族の生活を感じる道具として使うアイデアをお届けします。

著者紹介:石井力重(いしい・りきえ)

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 アイデアプラント代表。1973年生まれ、東北大学大学院卒。創造性育成ツール開発プロジェクトではリーダを務め、そこから誕生したブレインストーミング学習教材『ブレスター』は、みやぎものづくり大賞で、優秀賞を受賞。アイデア創出のプロセスを研究し、創造力を補佐する道具の開発と、アイデア・ワークショップを行っている。著書に『アイデア・スイッチ』など。


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