わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしています。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」を紹介。今回は絵文字を活用して、図解メモをより楽しく、リアルなものにする方法を学んでいきましょう。
前回は、「四角形と矢印」を使って、ユニクロのビジネスモデルを図解通訳したり、映画『レッドクリフ』の人物相関図を描いたりしました。今回は、こうした図解メモをより楽しく、リアルなものとする「絵文字」の活用を紹介します。
ここまでは単純な図形を使った図解通訳を解説してきましたが、できればピクトグラムやアイコンと呼ばれる小さな挿絵(以下、絵文字)を使いこなせるようにしたいものです。
これらの絵文字は世界的に共通化されており、言語を越えて情報を伝えることができます。例えば、海外の空港で出発ゲートやエレベーター、乗り換えの市内電車がどこにあるかは絵文字のサインですぐ理解できます。初めての電気器具でも絵文字を見ることでどれが電源で、どれが再生ボタンかを推測することができます。絵文字は、文化や知的レベルに関係なく、広く、物事を理解させるのに大いに役立つのです。
例えば下図のように、「携帯電話からメールを送信した場合に……」というような解説を図式化する場合に、「携帯電話」「メール」といったキーワードに分解して、四角形と矢印で表現するのも間違いではないのですが、携帯電話や電子メールという要素をシンプルな絵文字にすることで、よりリアルで、記憶に残りやすい、言語を超えた表現が可能です。
もっとも、絵文字を描くのに時間がかかっては意味がありません。自分の業界、職種に合わせたシンプルで有効な絵文字を自分なりにいくつか選んで、手早く描けるように何度か練習しておくとよいでしょう。『頭がよくなる「図解思考」の技術』では83個紹介していますが、その中からいくつか代表的なものをピックアップしてみました。できれば、自分の仕事でよく使う絵文字を、自分なりに描いてみることをおすすめします。
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