会議、セミナー、研修などの案内メール。今回は組織や自分の仕事の評価を高める案内メールの書き方を、チェックリストで確認していきます。
最近、会議、セミナー、研修などの案内をもメールでもらうことが多くなってきました。特に会場の地図などは、インターネットの地図サービスが便利なため、それを利用するケースも多いようです。
今回は、そうした案内メールをブラッシュアップすることで、組織や自分の仕事の評価を高めるヒントをご紹介します。
社内の人を少数集めて開催する会議は、日時や開催場所、議題を簡単に明記していれば特に問題は生じません。しかし、外部の関係者や他部署の人を集める会議(セミナー、研修など)を主催する際に、ワンランクレベルの高い案内をすると、自分や組織への信頼感を高められるのです。まずは、会議出席までのプロセス(行動)を確認しておきましょう。
上図をご覧ください。会議の案内をもらうと、社内で調整(上司や、当日不在時の対応を依頼する周囲への連絡など)をしたり、会議の内容に関する情報を収集したり、資料をまとめたりといった準備を行います。
そして当日は移動をします。初めて行く会場などは、少し時間のゆとりを持って行動する人も多いでしょう。午後1時前後からスタートする場合は、移動途中で食事をする人もいると思います。
会議は、誰もが有意義で価値ある場にしたいと思っています。そのためにもその場に集中できることが大切ですし、参加者にとっては、その場に好影響を与える意見などが発言できれば、会議に参加した意義や意味合いを感じるでしょう。会議は多くの人の思い、時間と労力を割いた上で成り立っています。
さて、プロセスを確認できたところで、案内文の役割を考えてみましょう。案内文が役割を果たせるのは、
です。この3点を少し詳しく解説していきます。
会議の議題や事前に準備などをしっかり伝えることはもちろんのことですが、前項でも触れたように、会議に出席するときは周囲への調整が欠かせません。調整する場合、周囲の人へ「重要な場である」「有効な場である」という印象を持ってもらえれば、参加者も胸を張って参加できます。案内に、そうした面も意識して表記しておくと、参加者がスムーズに参加できるでしょう。
もらった案内の地図に従って移動しようと思ったら、地図が古く、目印となる建物がなくなっていたり、大雑把過ぎて、分かりにくかったりした経験はないでしょうか?
ほとんどの人が初めて利用する会場などは、一度自分で足を運んでみて、地図の案内通りで着くことができるか、確認が必要です。万が一、地図の案内が分かりづらい場合は、目印となる交差点の名前や分かりやすい建物などを地図に追記しておきましょう。インターネットの地図などを利用していて、地図そのものに書き込みができない場合は、「行き方」を文章で表示しておくことも一考です。
また、電車やバスの本数が少ないときは、本数が少ないことを表記することや、タクシーを利用する必要がある際は、タクシー会社の連絡先なども表記しておきましょう。
気象条件などの影響を受けやすい交通機関を利用する必要がある際は、代替交通機関も表記しておくと、非常に便利です。
早く到着する、食事の予定を組み込んでいる人のために、周辺環境に喫茶店や、コンビニエンスストアなどの有無を案内しておきましょう。
会議に集中して参加していただくために大切なのは、環境面への配慮です。空調環境、会場内の密度、体調がすぐれない時の対応面なども、事前に案内をしておけば、参加者側で準備をしていくことができます。
ちょっとしたことではありますが、暑さ、寒さが苦手な人にとっては、ありがたい情報提供になることを知っておきましょう。
次に、メール案内文を作成する際のポイントをまとめました。このようなポイントを元に、組織内で、定型フォーマットを作成しておくことや、気付いたことなどをまとめておくことも有効です。ぜひ活用してください。
要素 | チェック |
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件名:○月○日 ☆☆会議の件 | |
本文:(1)会社名 職位 名前 | |
(2)あいさつ文(いつもお世話になり、ありがとうございますなど) | |
(3)本題への導入文(○○会議を開催致します) | |
(a)会議の目的 | |
(b)日時 ・時間超過の可能性の有無など | |
(c)場所 ・建物名称/会場名 | |
(d)参加者 | |
(e)議題(アジェンダ) | |
(f)添付資料の有無(事前準備のお願いなど) | |
(g)当日の服装(フォーマル、カジュアルなど指定がある場合) | |
(h)担当者名 連絡先(当日の緊急連絡先) | |
(4)その他 | |
(a)会場利用時の留意事項 ・入退室にセキュリティ上のルールがある場合など ・食事の案内(お弁当を用意する、持参する、施設内利用など) ・飲み物の持ち込みのルール ・喫煙場所のルール(周辺が喫煙禁止区域 など) ・携帯電話利用について(電波が入らない など) ・空調設備の情報(寒さ、暑さの調節を個人で必要な場合など) ・体調がすぐれない時の対応 ・荷物預け(クローク)の有無 ・時間外利用の際の入退室の案内 |
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(b)会場案内についての補足 ・地図情報(地図情報の補足) ・交通機関(電車、バスの本数、タクシー会社、代替交通機関) ・最寄駅などの情報(喫茶店などの周辺施設案内) |
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(c)手荷物など(持ち帰り資料などが多く、大きめのかばんなどの用意が必要な場合) | |
(5)しめくくりの文(当日はお気をつけてお越しください。なお、本件へのお問い合わせは、メールでも承ります。遠慮なくご連絡ください など) | |
案内文1つで参加者がその場に集中できるほか、質問や問い合わせが減り、あなた自身が日々の仕事に集中できるようになります。自分にも参加者にも有効な案内メールを作成し、組織や自分の評価を高めていってくださいね。
大手生命保険会社、人材育成コンサルティング会社の仕事を通じ、組織におけるリーダー育成力(中堅層 30代〜40代)が低下しているという問題意識から、2006年Six Stars Consultingを設立、代表取締役に就任。現在と将来のリーダーを育成するための、企業内研修の体系構築、プログラム開発から運営までを提供する。
社名であるSix Starsは、仕事をする上での信条として、サービスの最高品質5つ星を越える=お客様の期待を越える仕事をし続けようとの想いから名付けた。リーダーを育成することで、組織力が強化され、好循環が生まれるような仕組みを含めた提案が評価されている。
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