手帳の種類が多すぎる!――選び方、教えます手帳“超”入門(2/2 ページ)

» 2009年11月13日 08時30分 公開
[舘神龍彦Business Media 誠]
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タスク量別に選ぶのがオススメ

パイロットのダイアリー「オーディナル」もバーティカル

 ではどういう基準で記入欄を選べばいいか。1つの考え方は、1日あたりのタスクの量だろう。1日に終わらせる仕事、アポイントなどの数を基準として考えてみよう。

 タスク量が2〜3程度なら月間タイプの手帳がいい。こういう人の場合は、あまり細かな記入欄の手帳は空白が目立ってしまい手帳を使うのが楽しくなくなる可能性があるからだ。

 それ以上ならば月間+週間の綴じ手帳がいい。なお週間記入欄には前述のように3タイプある。特徴は以下の通りだ。

  • バーティカル式:見開き横方向に1週間の日付が、縦に時間軸が配置される。1週間の空き時間の把握が簡単。1日に細かな予定・仕事が割り込んでくる人や予定が多い人向き。
  • セパレート式:見開きの左右ページを8分割し、7日+その週のメモ欄という構成。日付は左上から右下に逆N字型に流れる。1日のメモ欄が1番大きい。
  • レフト式:見開きの左ページの縦方向に日付欄、右ページが白紙または横罫などのメモ欄の構成。1週間単位のメモが書きやすい。

 最近の人気はバーティカル式だ。1週間の日付が横方向に並ぶさまはカレンダー的で違和感が少なく、時間軸が細かいのも割り込みのタスクがたびたび入るような人には便利だ。時間軸の長さも重要だ。四六時中忙しい雑誌編集者のような人でもなければ、24時間の時間軸は長すぎて使いにくいだろう。一般的には生活時間帯の前後1時間程度をカバーできれば理想的だ。中にはお昼の時間帯や就業時間以降となる時間帯をグレーアウトして目立たなくするようなワークライフバランスを意識した手帳もあるので、好みによって選ぶといいだろう。

 でも「それほど仕事もないし」――などと迷ったらまずはレフト式を使ってみることをオススメする。ビジネス手帳の中でももっともオーソドックスな形式であり各社から発売されているからだ。メモ欄が大きいのも意外と便利だ。手帳は予定だけではなく、その準備や仕事のタスク分解などにメモを使うことが多いからだ。

 このほかに手帳を構成する要素として、六曜や月齢のようなものがある。六曜は、日ごとに「大安」「仏滅」「友引」などと書かれたもので1種の占いだが、建築業界や結婚式場などの祭礼に関わる業界では無視できない。

 さらに二十四節気(春分や冬至など、季節の移り変わりの目安)や月齢(新月、半月、満月など)を記した手帳もある。これらは必要を感じない限りはその有無にとらわれることはないだろう。

人気よりも“使いやすさ”を

 以上駆け足で手帳のバリエーションとその特徴について説明してきた。繰り返しになるが具体的な商品名を極力廃したのは、手帳をイメージでとらえるべきではないと考えるからだ。大切なのは自分にとっての使いやすさだ。手帳も商品だから人気や流行にとらわれそうになるのは理解できる。またカバーがかわいい、かっこいいから使いたいという気持ちも意味のないことではないし、なにより使い続けるモチベーションにも関わってくる。

 だがページを開いて、記入欄を眺めたときに違和感がないかどうか。私はこのポイントが最も大切だと考えている。そのためには大きさや綴じ方や記入欄のタイプなどのスペック面から絞り込むこと。そして絞り込んだ中から複数のものを比較検討することだ。その際には記入欄のデザインや罫線の太さなどのディテールに集中して選択できるだろう。

 以前は1月始まりの手帳が当然だったが、4月始まりをはじめ、7月始まり、9月始まりといった手帳もあるようだ。転職や引っ越しなどを機会に手帳を切り替えたりする人も多く、1年間使わずに手帳を替える人もいるはず。でも、1年間を後から見返せるよさもある。使い切ることで、1つの自信にもなるだろう。

 1年間じっくりつきあうモノだから、まずスペックで絞り込む。そして好みで選ぶ。長いつきあいをしようと思ったらそうやって冷静に選ぶことが大切なのだ。

著者紹介 舘神龍彦(たてがみ・たつひこ)

 アスキー勤務を経て独立。手帳やPCに関する豊富な知識を生かし、執筆・講演活動を行う。手帳オフ会や「手帳の学校」も主宰。主な著書に『手帳進化論』(PHP研究所)『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『システム手帳の極意』(技術評論社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)など。


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