なんとかなるだろう……と作ってみたところ、なんとかならなかった“微妙”バーガー。お待たせしました、今回はいよいよリベンジ編です!
以前、インスタント製品&自家製ハンバーグを使ってハンバーガーを作ったことがありました。結果はヒサンなものだったのですが、読者の方から、バンズの購入場所などについて多くの情報をいただきました。ありがとうございました!
今回は、そんな“微妙”バーガーにリベンジすべく、ハンバーガー用のパティを一から作ってみようと思います。ビジネス向けサンドイッチ弁当という趣旨からは、ややわき道にそれてしまいますが、どうぞお付き合いくださいませ。
いわゆる家庭で作るハンバーグと、ハンバーガー用パティ、形は似ていますが最大の違いは何だと思いますか? ハンバーガー専門のムック本を調べて分かったことですが、それは「パン粉」の有無です。
そういえば、ハンバーグにはつなぎとしてパン粉を混ぜますよね。しかし、パティは基本的に肉(ミンチ)オンリーです。それだけのことですが、この2つの食べ物が似て非なる物だと分かります。ちなみに、パン粉を加えるパティもないわけではないですが、非常に少数派だそうです。
私はてっきり、「パティ=特別なレシピが必要」と想像しており、聞いたことのないスパイスや難しい下ごしらえが必要だったらどうしよう……と心配していました。でも、肉だけで作れるとあれば、味はさておき、素人でもマネする気になれます。
今回は比較として、マクドナルドのふつうのハンバーガーを2個買ってきました。1つからパティを抜いて、代わりに自作のパティをはさんでみようというわけです。バンズやケチャップといったパティ以外の条件をそろえることで、パティによる味の違いがはっきりするだろうという考えです。
必要なのはミンチだけ。合挽きでもOKですが、今回は王道である牛肉100%をチョイス。
肉の粘着力を引き出すため、塩を少し入れる。丸く固まりができたらOK。手で揉むと汚れて臭いがつくので、写真のようにビニール袋を使うのがよいです。
厚さの目安は1センチ。せんべいのように薄く伸ばしましょう。
牛肉のミンチ……110円
揉む時間……2分
焼く時間……2分
パティの自作というと面倒な印象ですが、やってみるとあっと言う間で超カンタン。
用意したマクドナルドのハンバーガーは2つ。片方からはパティを抜き、手作りのパティをはさみました。さらにもう一方には、抜いたパティを加えて“ダブルバーガー”にします。フェアに比べるため、どちらも一度冷まして、その後レンジでチンして準備完了。
「市販のミンチをこねて、塩コショウして焼いただけの肉切れが、うまいわけがないだろう」と、まったく期待していなかったのですが、結論としては手作りパティの圧勝です。香ばしく、ジューシーで、歯ごたえもばっちり。マクドナルドのも美味しいですが、自作パティの方がいかにも「肉料理!」な感じです。
適当に作った割には、期待をはるかに超える美味しさだった手作りパティによるハンバーガー。意外にもアッサリとリベンジが果たせました(笑)。
今回、専門のムック本を読んで改めて思ったのは、ハンバーガーは実に奥の深い食べ物であるということです。読んでいると、その奥深さを表現する個所がありました。
ハンバーガーという食べ物を簡単に考えている人も少なくないですが、フランス料理のシェフでも、“ハンバーガーは難しい”というくらい、実は難しい料理だと思います。
『THE BEST ofハンバーガー―大人気ハンバーガーの店の味が分かる』(旭屋出版MOOK) 80ページより抜粋
本の中で紹介されているショップオーナーさんたちは、パティひとつにも強烈な情熱をささげています。配合する脂身の質と量、使う部位、熟成させる時間、調合するスパイス、焼きながらバーボンをかけたり、あえて豚肉を混ぜて日本人好みの味を創作したり、鉄板の温度を変化させながら焼いたり、炭火で焼いたり、とさまざまな工夫を重ねています。
ハンバーガーはとても奥の深い料理でもありますが、気軽に自宅で作ることもできます。時間に余裕のある週末にでも、トライされてみてはいかがでしょうか?
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