職場でのミスを未然に防ぐ――ハインリッヒの法則ってなんだ?研修に行ってこい!(1/2 ページ)

うっかり手順を間違えたり、ぼんやり作業をしていて危うく大きなミスにつながったり……。これらを防ぐためにはどうしたらいいでしょうか。今回は職場での「安全教育」について考えていきたいと思います。

» 2009年11月04日 13時45分 公開
[原田由美子,Business Media 誠]

 どのような仕事をしていても、“ひやっ”とする出来事があります。うっかり手順を間違えたり、ぼんやり作業をしていて危うく大きなミスに繋がったり……。ちょっとした気の緩みで、その後に大きく発展してしまうようなことはありませんか? それを防ぐために、今回は職場で行う「安全教育」について考えていきたいと思います。

自転車の赤信号無視 どう感じ、考えますか?

 あなたの仕事とは少し違うシチュエーションになるかもしれません。先日次のようなことがありました。そのときの状況を下図にまとめましたので、光景を想像してみてください。

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 時間は朝の9時過ぎでした。遅めの出勤の人、子供の送り迎えの人などで、その交差点は10人ほどの歩行者がいました。信号が青に変わったので、一斉に歩行者は歩き始めます。遅刻寸前なのか、その信号を猛ダッシュする女性もいました。

 そこに1台の自転車がきました。自転車の後ろ側の荷台には、大手企業のグループ会社の名前が大きく書かれています。自転車を運転しているのは、作業着に身を包んだ70歳前後の人。どうやらその人も急いでいるようです。

 自転車がその信号を速度を落とさずに斜めに走り抜けます。そこへ、走ってきた女性と危うく接触しそうでしたが、女性はうまく交わしました。危険を感じたその女性は、その自転車の過ぎ去る方向を走りながら見ていました。

 危ない!!


 と、心の中で思ったのは間違いないでしょう。側を歩いていた筆者も、

 これはまずいな


 と思いました。なぜならその自転車はそのまま赤信号を無視して渡り、目的地に向けて走りぬけていったからです。

 さて、この光景を思い浮かべていただいたところで、あなたはどうお感じになったでしょうか?

  • (a)特に何も問題を感じない
  • (b)自分も同じことがないように気をつけよう
  • (c)大手のグループ会社に連絡をしたほうがよい
  • (d)自分のチームでも同じことがないか、確認してみなければ

 いかがですか? (b)と思った人が多いかもしれません。次に(d)も多かったのではないかと思います。今回は(d)にプラスして具体的な取り組み例をご紹介します。

対応のタイミングが結果を左右する

 話を分かりやすくするために、問題を自転車に乗っていた人だけに絞って考えていきます。

 もし上司と部下で、同じような出来事に居合わせていたら注意ができるでしょう。しかし多くの場合問題となるのは、

  • 通報
  • 事故

 の後です。

 「通報」を受けて問題が浮上した場合、時間や場所から問題の対象者を特定し、その本人に事情を聞きます。本人やその上司に厳重に注意するとともに、再発防止策を検討した上で、通報者に回答し、社内的な対応を講じるのが一般的な流れです。

 「事故」を起こしてしまった場合は、事故の相手、本人、本人の家族、職場の仲間、その日作業予定が入っていた場合の作業予定先、知名度のある会社の場合、その影響の範囲は会社全体まで及びます。

 急いでいるときなど、誰でも1度はやってしまう、

  • 前方不注意
  • 信号無視

 など、意識しなければ、何かが起きるまでその問題をそのまま放置してしまいます。参考までに、自転車(軽車両)の交通ルールに関連する条項を記載します。

 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

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