無理なく続ける勉強法――「0.1」と「0」の大きな差あなたの不安、見積もります

「この仕事が終わったらやろう」「次の休みにはやろう」――そう思いながらもなかなか時間が取れないのが、業務外での勉強時間。継続のためには「0.1」と「0」の差を意識することが重要です。

» 2009年10月29日 14時30分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 「勉強本」ブームです。その背景にはさまざまな要因があって、一概に「長引く不況」のせいとは言えないと思います。が、「頼りになるのは自分だけ」と考えたときに「じゃあ資格でも取ろう」と思うのももっともです。問題はその気力と時間があるか、ということでしょう。

ビジネスパーソンの不安ポイント

 仕事後に資格のための勉強をしようと思っているのですが、どうしても疲れが出てしまい進みません。わたしより長時間仕事をしていながら、いくつもの資格を持っている人もいます。そんな人を見ていると、正直焦ります。どうしたらいいのでしょう?


 わたしも「すべての仕事が終わったら、読みたい心理学書を読もう!」と考えると、たいていうまくいきませんから、そのお気持ちはよく分かります。仕事が終わってからのへとへと具合は、家で仕事をしているわたしとは比べものにならないでしょう。

 それでも勉強しなければならないというのであれば「ペースをつかむ」ことが一番です。まず覚えておきたいのが、「0.1」と「0」の違い。たとえほんの少ししか勉強に手をつけられなくても、1週間経てば、相応の分量をこなすことができるのです。まずはとにかく「勉強量ゼロの日」を減らすことを考えましょう。

 そのためにオススメのツールが、やはりブログです。わたし自身、「あすなろブログ」というエンジニアに向けた情報提供サイト内で、「臨床心理学ノート」をつけています。実際にはわたしは臨床心理士の資格を取ろうとしているわけではありませんが、そのつもりがあったと考えると、このブログをつけていることは多いに役立つだろうと感じます。知識が増えることもありますし、何より「興味の継続」に有効だからです。

 特にはじめのうちは、資格のことを考えて焦るのはやめましょう。その気持ちばかりが前面に出てしまうと、単につらくなってしまうだけです。まずはブログをつけて、継続のペースをつかむこと。ブログはすぐに一定の分量がたまります。そうするうちに、自然と書き続けたくなるものです。そうしてペースをつかんでから、資格試験に備えるようにしていくとうまくいくのではないでしょうか。

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筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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