彫り後に金箔――1本70万円、パイロットの蒔絵万年筆仕事耕具

パイロットコーポレーションは、1本73万5000円の万年筆「Namiki 虎」と「Namiki 牡丹」を発売する。日本伝統の漆芸沈金技法を施している。

» 2009年10月19日 19時48分 公開
[塙恵子,Business Media 誠]
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 パイロットコーポレーションは、日本伝統の漆芸沈金(ちんきん)技法を施した万年筆「Namiki 虎」と「Namiki 牡丹」を、10月26日に発売する。価格は1本73万5000円。

 沈金技法は、蒔絵技法と並び日本が世界に誇る漆芸技法の1つで、緻密(ちみつ)で繊細な描写と、立体的で力強い表現力が特徴。漆面に専用のノミで文様を彫り、その彫り後に漆を入れ、金箔(きんぱく)や金粉で色を置くことで絵柄を表現する。蒔絵が「塗り」の技法であるのに対し、沈金は「彫り」の技法であるため失敗が許されず、「一彫り一彫りがまさに“真剣勝負”といわれている」という。

 「Namiki 虎」と「Namiki 牡丹」は、漆芸作家グループ「国光会(こっこうかい)」会員で、沈金作家の角康二氏が製作。「Namiki 虎」は、力強いイメージから厄よけや勇気の象徴とされる虎を、黄金の毛並みやリアルな表情だけでなく、笹の葉の細部についても強弱をつけた彫りで表現。「Namiki 牡丹」は、中国で富や繁栄、幸福を表わす牡丹の開いた花、半開きの花、つぼみを組み合わせ華麗な姿に仕上げた。

 18金のペン先はFM(中細字)/M(中字)/B(太字)を用意。本体サイズは全長176ミリ、最大径19.7ミリで、重量は42グラム。

 なおパイロットコーポレーションは、「Namiki」シリーズとして、これまでにも蒔絵技法、沈金技法を使った万年筆を提供している。

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