不安、面倒、時間不足――続かないブログを続けるためにあなたの不安、見積もります

ブログに限らず、続けなくてもかまわなくて、続けてもはっきりしたメリットが見えないことを続けるのは難しいものです。今回は「ブログが続かない3つの理由」から、対策法を考えてみましょう。

» 2009年10月15日 09時27分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 私にとってブログというのは不思議なものです。仕事で連載の原稿を書くのとは違って、「ほぼ日刊」という厳しさながら、収入にはほとんどなりませんし、したがって仕事をしているとは見なせません。それでも続けています。そんな様子がはたから見ると不可解なのか、先日のセミナーで次のような質問をいただきました。

ビジネスパーソンの不安ポイント

 ブログなどの形で何らかのアウトプットを続けたいと思うのですが、どうしても続きません。佐々木さんはなぜ毎日ブログが書けるのでしょう? 続けられるからには、何かしらの動機付けがあるのでは、と思うのですが……。


 これはブログだけに限らないのですが、続けなくてもかまわなくて、続けてもはっきりしたメリットが見えないことを続けるのは、難しいものです。

 確かに、ブログを続けても特にほめられるわけではないし、お金にはならない。反対に、やめてしまっても特にとがめられたりしません。人間は損得感情だけで行動するわけではありませんが、どうもブログのようなものは継続を訴える要素が足りないようです。

 しかしたとえ途中で挫折したとしても、ブログを始めようと思ったときには何か「始めたいと思った理由」があったはずです。その「始めたいと思った理由」を大事にしましょう。その上で、ブログ継続を挫折させる要因をつぶしていきましょう。

 個人的な経験からしますと、ブログを書き続けるのに困難を感じる要因は、だいたい次のようにまとめられます。

  • 不安
  • 面倒くささ
  • 時間不足

 不安というのは、「こんなことを書いて、炎上しないだろうか」という不安です。この不安については、とりあえず、「正面から向き合う」しかありません。なぜなら、「絶対に炎上はゴメンだ」と思うと、「ブログを書くのはやめよう」ということになってしまうからです。

 それよりも、「炎上の可能性はゼロではない」と考え、「どこまでの批判には耐えられるか?」と自分に正直に問います。「ここまでは大丈夫」と感じたことまでは、書くことができます。

 さほど議論にならないような穏やかなテーマで書くなら、現実的には不安よりも問題になるのが、面倒くささです。ブログを書き続けるというのは、案外面倒なものです。(最近注目を集めているTwitterのように)「140字程度でもかまわない」といわれたり考えたりしますが、実際には140字ずつ毎日では、達成感が得られないこともあります。

 この問題に対しては、テンプレートを用意しておきましょう。4段落で2行ずつ、といったように、あらかじめ「テーマにあった書き方」を決めておくのです。こうすると、「面倒だな」と感じる日であっても、あらかじめ決まっている型に当てはめることで、書き切れそうな気がするはずです。

 もっとも深刻なのが、時間不足です。テンプレートが決まっていても、時間がない日は書けません。毎日でなく、週に1度にしておいても、結局は同じ事です。その日に時間がなければ、書けないのです。

 この問題に対処するには、「休日」を最初から決めておくことです。週に1度書く人は、祝日の多い「月曜日」をアップする日にして、「祝日」にはアップしないと決めておけばいいのです。ただし、その日にも「書くこと」は継続します。そうすれば徐々にストックがたまるか、たまらなくても何とかブログを維持することはできるはずです。

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筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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