「周りが帰らないから帰れない」から卒業するあなたの不安、見積もります

自分がやるべき事を終えているのに、ただ人目が気になるというだけで、何となくズルズルと残業してしまうという事態は避けたいものです。

» 2009年10月08日 09時31分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 「やるべきことの総量が事前に定まっていないToDoリストよりも、一時的であってもそれが決まっているチェックリストの方がいい」と、私はつねづね思っています。やらなければならないことが不意に増える、ということは確かにあるものですが、それでも「すでにやると決めたこと」をまず、1つ1つ確実に処理していく方が安心できます。

ビジネスパーソンの不安ポイント

 みんなが残業していると、何となく帰宅できません。残業しなければいけないとか、みんなにつきあわなければならない、などという規定はないのですが、1人で帰ってしまうのが何となく不安です。性格が弱いのでしょうか?


 「性格が弱い」という表現は、心理学をかじった身としてはピンときません。もちろん、世の中にはいわゆる「図々しい人」と「気にしやさん」がいます。しかし、よく話を聞いてみると、「図々しい人」も意外と人目を気にしていますし、「強気な小心者ちゃん」もけっこういるものです。

 それはそれとして、自分がやるべき事を終えているのに、ただ人目が気になるというだけで、何となくズルズルと残業してしまうという事態は避けたいものです。そこで、こんな手を打ってみるのはいかがでしょう。「朝一番に、自分のやるべきことを周囲か上司に宣言してしまう」のです。

 もちろんこれは、「朝の段階で自分が決めたやるべきこと」にすぎず、その後、上司から言いつけられたり、関連作業が追加されるなどの、いわゆる「割り込みタスク」が入ってくることもあるでしょう。

 それでも、「あらかじめやると言ったこと」をすべてやった、という報告ができれば、「やるべきこともやらずに帰宅してしまう」という非難は正当なものではなくなります。さらに、「割り込みタスク」も滞りなく済ませたのであれば、帰宅前に「今日やったこと」を報告するとよいでしょう。

  • 朝一番には「やると決めたこと」を宣言する
  • 帰宅時には「やると決めたこと」+「割り込みタスクを処理したこと」を報告する

 ここまでやって、定時に帰ることができるのであれば、むしろ周囲には「勝手に帰る無責任な人」というよりも、「スーパーサラリーマン」のように見えるかもしれません。

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筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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