セカイカメラ入門――世界にタグをつけまくろう3分LifeHacking

いま最も旬といえるiPhone用アプリケーションが「セカイカメラ」。最近ますます注目を集めているAR技術(拡張現実)を活用したアプリケーションである。いろいろタグを付けて、セカイカメラを活用してみよう!

» 2009年09月30日 20時49分 公開
[杉村啓,Business Media 誠]

 最近ますます注目を集めているのがAR技術(拡張現実)だ。AR技術を使えば、現実世界にコンピュータを使ってさまざまなタグをつけたり、特定の模様をコンピュータのカメラで写しだしたときに、そこに本来は存在しない絵を表示したりすることができる。

 このAR技術を使っている、いま最も旬といえるiPhone用アプリケーションが「セカイカメラ」だ。もちろん新しい物好きな筆者も早速ダウンロードし、あれこれ遊びまくっている。というわけで、今回はセカイカメラを使っていろいろ試してみた。

セカイカメラって?

秋葉原で見たエアタグ。非常にたくさんのエアタグが浮かんでいるのが分かる。画面上部の白い点がエアタグがある方角をあらわしている

 まずはセカイカメラについて簡単に説明しておこう。セカイカメラは、頓知・(とんちどっと)という会社が作ったiPhone用アプリケーションだ。セカイカメラを起動するとiPhoneのカメラが立ち上がり、そのカメラを通して現実世界を見てみると、色々なタグ(「エアタグ」と呼ぶ)が浮かんで見えてくるというものだ。

 iPhoneのGPSiPhone 3GSの電子コンパスにも対応しており、3GSの場合には別の方向を見ると、きちんとそれを検出して別のタグが出てきたりもする。

 まだリリースされて1週間弱だが、iPhoneユーザーが多いと思われる場所ではたくさんのエアタグを見ることができる。特に秋葉原においては、非常にたくさんのエアタグを見ることができる。

 エアタグの付け方は簡単で、エアタグをつけたい場所でセカイカメラを起動し、メッセージを書きたければ「Text」ボタンを、写真を使いたければ「Photo」ボタンを、音のタグを使いたければ「Sound」ボタンを押すだけだ。後はエアタグの形状を選び、中に書きたいメッセージを書けばいい。作成したエアタグはふわふわとその場に浮かんで、セカイカメラで見ることができる――というわけだ。ちなみに中のメッセージは、そのエアタグを選択すれば全て見ることができる。

エアタグを活用してみる

 このエアタグがたくさんあればあるほど、セカイカメラを使った時に面白くなるのは言うまでもない。現在ではユーザーがつけるエアタグのほかに、各ランドマークなどを表示することができるようになっている。中には一躍有名になった(?)「姉ヶ崎寧々参上」といったエアタグもあるが、せっかくなのでほかの人や自分にとって有益なエアタグを作ってみたい。

 というわけで、筆者が個人的に取り組んでいるのが、「お店の料理」エアタグと「駅の出口」エアタグと「トイレ」エアタグ。お店の料理エアタグは、外食をしたときに、その料理写真を撮り、エアタグとして浮かべるというものだ。おいしかったとかこれがオススメとかのコメントをつけると、いい感じになるのではないかと思っている。

上野駅でつくったエアタグ。公園改札というタグをつくってみた。

 「駅の出口」エアタグは、迷いやすい人のためのもの。個人的な話で非常に申し訳ないのだが、筆者は比較的道に弱いタイプのため、巨大な駅だと改札口がどちらの方向かを迷いやすい。また、駅構内では「●●口」という看板があるからわかりやすくても、駅の外から駅の●●口を目指すときに、ちょっと迷ってしまったりすることも多い。さらに言うと、地下鉄の出口のA1出口やらA2出口やらは、本当にさっぱり分からなく迷ってしまう事が多いのだ。

 というわけで、駅の改札口のエアタグを利用した駅でぺたぺた貼り付けるということをしている。特に大きなターミナル駅では、時間のあるときになるべく駅内を動いて改札口でエアタグを貼ったりしている。

 また、外出時に意外に困るのが、トイレのありか。いざトイレに行きたいと思っても、なかなか見つからなかったりすると本当に困る。

 というわけで、よく行く場所周辺で利用できるトイレもエアタグをつけることにしてみた。例えばデパートなんかでは男性用トイレと女性用トイレが同じ階にはなく、別の階にあったりすることもあるが、そういった情報なんかもエアタグでつけてみようという考えだ。もっとも、本当にトイレな緊急事態の場合には、セカイカメラを起動する余裕が無いかもしれないのがこの案の弱点でもあるといえる。

秋葉原駅前の有料トイレで作ったエアタグ

 なお、エアタグはコメントをつけることも可能だ。コメントの付け方は簡単で、そのエアタグを選んで表示している状態で「Text」や「l_st_photo」や「Sound」ボタンを押すだけだ。そうすると、新たなエアタグをつくるのではなく、もとのエアタグにぶらさがる形で表示されることになる。

 コメントをつけると、いちいちほかのタグが重なって表示されず、1つのタグにスレッドでぶらさがる形で表示される。このとき、もとのエアタグに複数のコメントをつけることができるが、常に最新のタグが、もとのタグのすぐ下に入ることになる。つまり、もとのタグを1、コメントを2とすると、セカイカメラで1を選択したら

1
2

 の状態で表示されることになり、さらに新しいコメント3を記入すると

1
3
2

 という状態で表示されるのだ。

コメントをぶらさげてみた例。時間の新しいものが、上にきている。

ポケット機能でさらに便利に

ポケットの中身。フィルタ機能があるので、ポケットにどんどんエアタグを入れてもすばやく目的のエアタグを探すことができる

 面白かったり有益だと思ったエアタグは積極的にポケットに入れていこう。これは、そのエアタグを選択した状態で「Pocket」ボタンを押すと、そのエアタグをポケットに入れることができるというもの。

 ポケットに入れたエアタグはいつでも別の場所でも参照することができるようになる。また、ポケットに入れたエアタグを参照しているときに「Map」ボタンを押すと、地図が表示され、そのエアタグがある場所を表示してくれる。

(左)地図が表示され、エアタグのある場所を表示してくれる。写真の場合はこのように表示される。(右)ちなみにランドマークをポケットに入れることで、そのランドマークを地図上に表示することもできる

角度が難しい

縦持ちでセカイカメラを表示しているところ。メニューは横持ちのときのままになっている

 セカイカメラを使っていて一番難しいと感じたのは、iPhoneを持つ角度だ。地面と垂直にしないとほとんどのエアタグは表示されない。上向きや下向きにすると、写るタグは少ない。カメラの場合は撮影時の角度で表示位置が変わるのだが、たいていは正面のものを撮るから、その角度での写真エアタグは少ない。テキストタグは、投稿するときの角度で変えられるから、下を向いて投稿すれば地面に貼り付けることもできる。さらに、基本的にセカイカメラはiPhoneを横向きにして使うアプリケーションでもある。

 というわけで、立ったままセカイカメラを使うと、目線の高さにiPhoneを持ち上げ、しかも地面と垂直にiPhoneを横向きに持って、その画面をのぞきこむことになる。いかにも写真を撮っていますよ、というポーズだ。これは人込みとかで使うにはちょっと難しい。

 ちなみにセカイカメラのエアタグ自体はiPhoneを縦持ちにしても見ることはできる。メニューなどは横のままになるが、エアタグはきちんと上下を認識してくれるので、縦持ちで画面を見てもエアタグは普通に見ることができる。

 起動やデータを取得するまでに時間がちょっとかかったり、使う姿が怪しくなってしまいがちなところはあるが、セカイカメラはいろいろな可能性を感じるアプリケーションだ。

 今のところはまだ公式のエアタグも少ないが、これからどんどん活用されてエアタグが増えていけば、新しいアイデアも生まれてくるはず。筆者もまた積極的にこのセカイカメラを使って面白いことができないか、あれこれ模索したい。さしあたっては、エアタグを利用した鬼ごっこ(かくれんぼ?)などをすると面白いんじゃないかと考えていたりする。何か面白いアイデアがあったらぜひ教えてほしい。

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