場違いだと決め付けず、研究者の勉強会や学会などにも参加してみるアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

自分自身が興味のある内容の勉強会に入ることで、「仕事」で絡まない人間関係が広がる。営利目的ではなく、研究目的の人たちと一緒に活動をすると、今までとは違った人脈もできるし、有識者からの深い意見も聞けたりするのだ。

» 2009年09月09日 12時35分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 私の場合、すでに落ちこぼれかけているのだが、ある大学院で勉強をしている。また、3つの学会に入って可能な範囲で勉強会に参加したり、Web系のある勉強会では事務のお手伝いもしている。

 自分自身が興味のある内容の勉強会に入ることで、「仕事」で絡まない人間関係が広がる。普段はどうしても「会社員」や「企業」という枠を意識してしまっているが、営利目的ではなく、研究目的の人たちと一緒に活動をすると、今までとは違った人脈もできるし、有識者からの深い意見も聞けたりする。もやもやしていた自分の興味関心や意見も、だんだんと形にすることもできる。

 単に今の流行ごとを広く浅く追いかけるのではなく、深く物事を考えている研究者の人たちから得られるものは非常に大きい。

 うれしいことに、優秀な先生や研究者は名刺の肩書きや知名度でランク付けしない。お世辞もない。年齢・性別・国籍も関係ない。小手先のテクニックなど通用しない。あるのは、確立された方法論と豊富な知識――などである。自分の勉強不足や能力不足で落ち込むこともあるが、普通に企業にいれば知ることのできなかった深い知識や人間関係に触れられることのメリットはとても大きい。人脈にとどまらず、得られることがあまりに大きいことに驚かされる。

 勉強会などに出ることで、「○○の調査によれば……」などと報道されているものが、統計的には有意な差がない場合もあることも分かってくる。

 大学院に入学しよう、と勧めるつもりはないが、興味のある学会に所属したり、低価格もしくは無償で参加できるような勉強会は是非参加することをお勧めしたい。ただ、ポイントもある。勉強会はきちんと主催者を事前に確認してほしい。例えば、今話題のTwitterなどはあちこちで勉強会が開かれているが、単なるユーザー視点のものや、マーケティングに使うものなど玉石混交なのだ。

 学会や勉強会の探し方は、興味のある事柄の掲載されている論文「NII論文情報ナビゲータ」などで調べて(本文が公開されていない場合が多く、場合によっては図書館などで調べたりする必要もあるが)、興味深い内容を書いている人が所属する学会の入会方法を探すという方法がある。

 Twitterなどでもつぶやいているコンテンツ学会などもおもしろそうである。Wikipediaの「日本の学会一覧」も参考になりそうだ。

 なお、参加する場合には、一定の条件が求められている場合もある。是非よく調べてから行動に移すようにしてほしい。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ