あなたの話は伝わっていますか? 話が長くなりがちな人のための矯正法人を動かす話し方講座

聞き手にとって長話をされるのはつらいものですが、いざ自分が話をするとなると、ついつい話が長くなってしまうという人は多いのではないでしょうか。

» 2009年08月31日 18時22分 公開
[水野浩志,Business Media 誠]

 人と会話をしているとき、ついつい自分の話が長くなりがちという人、いますよね。話が長いというのは、聞く側にとっても、結構つらい思いを強いてしまいますし、話している本人が期待するほど、自分の考えや思いも伝わらないことも多いのです。

 ということで今回は、お互い理解し合うコミュニケーションができるようになるために、自分の話が長くなるクセをなくす具体的な矯正方法についてお話ししたいと思います。

テクニック:キッチンタイマーでトーク時間を管理しよう

 話が長くなるクセを直す方法は、実にシンプルです。

 まず、秒単位で時間のセットが出来るキッチンタイマーを用意します。そして、自分が話す時間を秒数でセットします。最初は10秒くらいが良いかもしれません。

 準備ができたら、話し始めるときにタイマーをスタート。ピピッと鳴ったら話をやめて、今度は相手の話を聞く、ということを続けるわけです。

 10秒がクリアできたら、秒数を縮めていきましょう。最終的に、長くても5秒で自分の話を切ることができるようになったら、おそらく自分自身でも話し方が大きく変わってくることを自覚できるようになると思います。

 このように、自分の気の持ちようだけではなかなか変えられない習慣やクセは、自分の内面だけで改善しようとしてもうまくいきません。具体的な道具を使って、自分の外側から、分かりやすく矯正させる方法をとるのが、効果的な方法の1つとなるでしょう。

マインド:話す時間を短縮するメリットとは

 話の長い人にとっては「わずか5秒で一体何が語れるのか」と思われる方も多いでしょう。しかし、プレゼンやスピーチではなく、日常会話においては、

  • 言いたいことを話すのではなく、互いの考えを理解し合う

 ことに意識を向けた方が、最終的には良い結果を得られる場合が多いでしょう。そのために必要なことの1つは、

  • 【お互いの会話のキャッチボール回数を増やす】

 ということ。

 話が長くてコミュニケーションがうまくいかないと悩んでいる人の多くは、このキャッチボールが少ないのが大きな原因となっていることが多いようです。確かに話の長い人とコミュニケーションを取るのは、正直面倒な気持ちになるものです。

 ですから、ここはいったん強引に時間を秒単位で決め、そこで自分の話を打ちきりにしてしまうのです。こうすれば、会話のキャッチボールが増えることにつながっていきます。また、話す人が「短い時間で自分の考えを伝えよう」と意識するので、今まで漫然と話をしていた状態より、話をきちんとまとめて話す習慣がつくでしょう。

 さらに、これが5秒という短い時間になると、自分の考えをきちんと伝える時間すらなくなります。その制約条件を使って、いっぺんに自分の伝えたいことを話すのではなく、相手との会話をやりとりしていく中で相手の考えを理解しながら自分の考えを伝えていくという考え方に、強制的に変えていくわけです。

 こうして「短い話でコミュニケーションを取った方が、一方的に自分が長く話すよりも相手に伝わる」ことが体感できるようになると、おのずと自分自身の話も短くするように心がけられるようになります。

 私自身、人の話を制して長々と話をしてしまうクセがあり、それを直すために実践したこの方法。長話のクセを直したい人は、ぜひ実践してみてくださいね。

著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


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