社員が新型インフル大量感染…… その時どうする!?
本格的な流行期に入った新型インフルエンザ。秋以降の爆発的な拡大が心配される。企業にとって大変なのは、社内感染が急拡大し、社員が大量に休む事態になった場合の対応。航空、鉄道、スーパーなど生活密着型企業の対応を探ってみた。
本格的な流行期に入った新型インフルエンザ。秋以降の爆発的な拡大が心配される。企業にとって大変なのは、社内感染が急拡大し、社員が大量に休む事態になった場合の対応。学校なら休校という選択肢もあるが、企業はそう簡単にはいかない。航空、鉄道、スーパーなど生活密着型企業の対応を探ってみた。
社内での感染急拡大でもっとも困りそうな業種は、航空や鉄道などの輸送関連だろう。公共輸送を担うだけに、パイロットや運転士が足りないから運休−とはしにくいからだ。
そこで、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)にパイロットや客室乗務員が大量感染した場合の対応を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「人繰りなど具体的には決まったものはない」(JAL広報部)
「今週中に関係部署の担当者を集めた対策会議を開き、検討していく」(ANA広報室)
両社とも今のところ、国際線の機内にマスクを装備する程度の対応となっている。
JR東日本は「パンデミック(大流行)になれば、国土交通省や厚生労働省の方針に従って、速やかに対策をとります。しかし、現段階でお話しできる(対策の)中身はありません」(広報部)と話している。
各社とも、大震災時などの事業継続計画は策定しており、それに準拠した対策を想定している。しかし、大地震なら都市機能が寸断され、人の動きも止まるが、新型インフルの場合は都市機能が止まることはないとみられるだけに、輸送各社は社員の間に新型インフルが急拡大した場合の対応に苦慮しそうだ。
あらゆる手段尽くし営業
日常生活と密着したスーパーの場合はどうか。イオンは先週、新型インフル専用の対策マニュアルを策定し、全店に配布した。特に新型インフルによる死者が出た沖縄県内の店舗を「管理店舗」として、店頭入り口に消毒用アルコールを設置。従業員に体温測定やマスクの着用などを義務づけている。
イオンでは、感染拡大で人手が不足した場合、「近隣店舗からの応援や本部からの派遣など、あらゆる手段を尽くして」(コーポレートコミュニケーション部)店舗営業を継続する。
イトーヨーカドーやセブン−イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスも、7月まで月1回だったインフル対策の拡大会議を8月上旬から毎週開催に切り替えた。目下のところ情報の収集が中心だが、「すでに臨戦態勢」(広報センター)という。
人が多く出入りするところといえば、金融機関もそう。大手金融機関はすでに、数年前から強毒性の鳥インフルなどを想定した対策を決定しており、今回の豚由来の新型インフルについてもこの対策を弾力的に適用していくという。
メガバンクの一角、みずほフィナンシャルグループは「特定の支店で従業員の大量感染があった場合は、周辺の支店などからの応援で対応する」予定だ。
リスク管理コンサルタント大手、インターリスク総研の篠原雅道主任研究員は「対策マニュアルはあっても、それを使えるような教育訓練ができていない大企業も多い。全般的には対策はまだ不十分」と分析する。
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