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もうすぐ衆院選。期日前投票制度を利用してもう投票しちゃったという人もいるかもしれないが、日曜日当日の投票の人はまだ少し時間がある。どうせ投票するなら、ちょっと考えて投票するのもいいかもしれない。

» 2009年08月27日 22時31分 公開
[鷹木創,Business Media 誠]
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 もうすぐ衆院選。いろいろ報道されているし、場合によっては期日前投票制度を利用してもう投票しちゃったという人もいるかもしれない。筆者もいつもは期日前投票派なのだが、今回は仕事が忙しくて日曜日当日の投票になりそうだ。

 まあ、逆に日曜日ならまだ数日ある。投票する人しない人さまざまだが、投票するならちょっと考えてから投票するのも悪くない。そこで、誠 Biz.IDでは2人の読書家に登場願って、選挙の前に読んでおきたい本を選んでもらった。1人はライフネット生命保険の出口治明社長、もう1人は本誌で書評を連載している藤沢烈さんだ。

出口社長選――『昭和史』『1968』『ヨーロッパ戦後史』など

 『昭和史』(半藤一利、平凡社):日本の未来を考える一番のヒントは、正しい現状認識にある。つまり、私たちはどこから来て、今どこにいるのか――ということだ。その意味で、昭和という時代全体をきちんと総括する必要があると考える。



 『1968』(小熊英二、新曜社):同じ意味で、わが国の最大人口を占めるいわゆる団塊の世代の1968年の“反乱”の意味をきちんととらえ直す必要がある。同じことの繰り返しになるが、私たちの社会の正しい現状認識なくして未来は構想できない。



 『ヨーロッパ戦後史』(トニー・ジャット、みすず書房):日本の将来を「東アジア共同体」に重ねる言説が多い。そのためには、先行するEUの経験にしっかりと学ばなければならない。



 『若者のための政治マニュアル』(山口二郎、講談社):上記3冊は(たまたまだが)どれも大作なので、選挙までには読めないかもしれない。時間のない若者にすすめる「これ1冊」がこの本。(以上、コメントは出口社長)

藤沢選――『政治家の本棚』『職業としての政治』『代表的日本人』など

 『政治家の本棚』(早野透、朝日新聞社):愛読書から、政治家の信条を理解する1冊。中曽根康弘、土井たか子、亀井静香、小泉純一郎、菅直人、枝野幸男……有力政治家ばかり43人の読書遍歴を紹介した。時代性と本人の半生が理解できて、メディアからは分からない政治家の精神性を一歩理解できるようになる。

 『この国を作り変えよう』(冨山和彦・松本大、講談社):政治から日本を変える方法を考える1冊。経営競争基盤の冨山社長と、マネックス証券の松本社長による対談。緻密(ちみつ)な政策ではなく、2人の憤りを感じる本である。



 『職業としての政治』(マックス・ヴェーバー、岩波書店):政治家が持つべき資質が分かる1冊。学生向けの講演をまとめたもので、おおむね3部構成になっている。政治の本質、政治状況の考察と続き、最後に政治家が持つべき倫理について説明している。わたし(藤沢)は、今の国内政治のどこに不満だったのかが分かった。

 『代表的日本人』(内村鑑三、岩波書店):明治に生きた思想家である内村鑑三が書いた世界的ベストセラー。ケネディは最も尊敬した日本人に上杉鷹山を挙げたそうだが、本著に取り上げられていたのを読んだからだ。リーダーシップの最高の教科書であるとわたしは考える。(以上、藤沢さんのブログなどより抜粋)



編集部選――ボートマッチングサイトなど

 それぞれ興味深い本を選んでもらったが、とはいえ投票は日曜日であまり日がない。多忙なビジネスパーソンにとって「本を読んでる時間なんかないよ」というのが本音かもしれない。そんなあなたが比較的簡単に投票すべき相手を見つけられるのが、新聞社やポータルなどのボートマッチングサイト。いくつか紹介しよう。

 ちなみに、出口社長からはこんなサイトも教えてもらった。「書物ではないが、ぜひ目を通してほしい。時代遅れの利益誘導型の政策の根源をたどれば、1人1票の不平等にそのすべての原因があることが分かる」(出口社長)とのこと。1票の格差問題を考えたりする機会になるかもしれない。

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