仕事を減らし、チームのアウトプットを高める3つの手順研修に行ってこい!

ある一定以上のパフォーマンスを上げられるようになると、リーダーとして、組織を任されたり、あるいは起業し、自分で組織を作る方向に向かいます。今回は組織を生かせるリーダーが、必ず取り組んでいる仕事の進め方を紹介します。

» 2009年08月10日 16時00分 公開
[原田由美子,Business Media 誠]

 企業の業績がなかなか上がらない時代、成果や結果が出せる人、仕事が早い人に、仕事が集中しています。

 誠 Biz.IDで情報収集しているあなたも、短時間で効率よく仕事をしたいと考え、ちょっとしたヒントも見逃さない、仕事ができる人だと思います。きっと会社からも大きな期待を寄せられていることでしょう。しかし今のあなたには次のような気持ちがあるかもしれません。

  • もう少し余裕があれば、じっくり練った仕事ができるのに
  • もう少し勉強する時間がほしい
  • たまにはゆっくり身体を休めたい
  • 家族や友人と過ごす時間を作りたい

 など。

 もし今このように感じているのであれば、そろそろ自分の仕事力を高めることにかけるエネルギーを、周囲の人の仕事の効果、効率が高めることに使うタイミングに入っていると考えられます。

成長の過渡期を知っておく

 なぜこのようなことをお伝えするのか。

 人はある一定以上のパフォーマンスを上げられるようになると、リーダーとして、組織を任されたり、あるいは起業し、自分で組織を作る方向に向かいます。

 さてこうした状況に立った時、自分自身ががむしゃらに頑張ることで成果をあげる人と、組織の力を最大化し1人では成しえない成果を上げる人と、2通りのタイプのリーダーに分かれます。

組織を生かせるリーダーにヒントを得よう

 今回は1人では成しえない成果を上げるリーダーが、必ずといっていいほど取り組んでいる仕事の進め方をご紹介しましょう。

 そうしたリーダーを見ていると、仕事を難易度の高い部分、中程度の部分、低い部分に分割し、中程度、低い部分に着目します。中程度と低い部分をパターン化し、今日入社した社員やアルバイトでもすぐに仕事ができるように、システム化できないかと考えます。

 そして、システム化できる部分が見つかったら、それをマニュアル化します。そのマニュアルを元に、数時間から数日、業務とコミュニケーション上のルールを伝える研修のプログラムを作ってしまいます。

 そうすると、業務の流れや手順と“報・連・相”のコミュニケーションルールが明確になっているので、数時間から数日、研修の時間をしっかり割くだけで、誰でもある程度の仕事ができるような仕組みが出来上がっているのです。

仕事を減らし、アウトプットを高めるコツ

 そこで今回はこの考え方を応用し、今担当している自分の仕事やチームのメンバーの仕事を軽減し、チームとしてのアウトプットを高める手順をご紹介します。その手順としては、

  • 1. 職場全体の仕事の流れを書き出してみる
  • 2. 自分と担当者ごとの業務を書き出してみる
  • 3. 次の視点で確認してみる(重複している仕事がないか?/同じようなミスが発生している仕事がないか?/滞りがちな仕事はないか?/仕事に偏りがないか?/難しさの度合いは? など)
このような知識が体系化されているのが、“業務マニュアル”に関する書籍です。フォーマットのサンプルなどが手に入るので、便利です。

 さて、職場内に話を戻すと、まずは上記のようなことを、チーム内のミーティングで話し合ってみるのも一考です。そうすると、重複している仕事は、すぐに削減できる可能性が出てきます。副次的な効果として、普段、言い出しにくかったことも伝えやすくなるので、ストレスの解消になることもあります。

 また、難易度が高くちょっとした知識やコツが必要だと思ったことは、必要な知識やコツを整理した上で、職場内の勉強会を開催し、全体のレベルアップを図るのが有効です。

 知識やコツを体系化していく上で役に立つのは、誠 Biz.IDで連載中の開米瑞浩氏のコラム「プロ講師に学ぶ、達人の技術を教えるためのトーク術」が役立ちます。参考にしてみてくださいね。

 こんな風に考えていくと、1人で必死に頑張るよりも、自分も周囲も楽になるようなことを考えるのって大事な気がしませんか? すぐに取り組めそうだ! と、感じられた方は是非チャレンジしてみてくださいね。

 しかしイメージはできても、なかなか周囲に切り出せない方や、ミーティングや勉強会の開催の仕方が分からない人も多いかもしれません。

 大丈夫です。今後は、そうした場面への対応方法も少しずつ情報提供していきます。まずは、自分自身の仕事の洗い出しなど、できそうなことから取り組んでみてください。

 そして、ラッキーにも社内の研修会などに参加する機会があったら、研修に参加した時に配布されるテキストや資料、講師の講義の進め方、話の伝え方なども吸収してきてください。きっと、職場内のミーティングや勉強会に役立つヒントがたくさんあるはずです。


著者紹介:原田由美子(はらだ・ゆみこ)

 大手生命保険会社、人材育成コンサルティング会社の仕事を通じ、組織におけるリーダー育成力(中堅層 30代〜40代)が低下しているという問題意識から、2006年Six Stars Consultingを設立、代表取締役に就任。現在と将来のリーダーを育成するための、企業内研修の体系構築、プログラム開発から運営までを提供する。

 社名であるSix Starsは、仕事をする上での信条として、サービスの最高品質5つ星を越える=お客様の期待を越える仕事をし続けようとの想いから名付けた。リーダーを育成することで、組織力が強化され、好循環が生まれるような仕組みを含めた提案が評価されている。


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