息子を亡くした父からの手紙――“人生の目覚まし時計”「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第二の習慣

「私の研修に、メリルリンチ社の役員が参加した。セミナーから1年後、この役員から手書きで4ページにもなる手紙が送られてきた。今でもその手紙のことを思うと、涙がこぼれてくる」

» 2009年08月06日 11時25分 公開
[フランクリン・コヴィー・ジャパン,Business Media 誠]

「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック with DVD Vol.3 第二の習慣:目的を持って始める

 実りある人生を送っている人々には共通する習慣があった――1996年に発売されて以来、ビジネスパーソンをはじめとする世界中の人々に多くの影響を与えたスティーブン・コヴィーのベストセラー『7つの習慣』

 現代の日本社会に不足がちなリーダーシップを身につけるためには、「リーダーシップとマネジメントの違い」を認識することが第一歩となります。自分はどうありたいのか、何をしたいのか、自分の行動の基礎となる価値観や原則はどういったものなのかを明確に示す「ミッション・ステートメント」の重要性を説く『第二の習慣』から5編をお届けします。


 スティーブン・R・コヴィー博士とフランクリン・コヴィー社の創業パートナーであるハイラム・スミスの著書『TQ 心の安らぎを発見する時間管理の探究』(キングベアー出版)の中からあるアメリカの証券会社の元役員のストーリーを紹介します。

 私の研修に、メリルリンチ社の役員が参加した。セミナーから1年後、この役員から手書きで4ページにもなる手紙が送られてきた。今でもその手紙のことを思うと、涙がこぼれてくる。

 「ハイラム、私は1年前、プリンストンであなたのセミナーに出席しました。それまでは、日々の行動を自分の価値観に合致させなければならないなどと思ったことは一度もありませんでした。素晴らしいアイデアだと思いました。セミナーから帰った私は、私の価値観、つまり私が人生で最も大切に思っていることは何か、と考え始めました。

 そうした中で思い当たったことは、息子にいい人生を送ってほしいという願いでした。それなのに息子には親らしいことは今まで何1つしていないことに、そこで気づいたのです。そのとき私は、これからの1年は息子がいい人生を送るために何でもしようと決心しました」

 彼はその後、息子と一緒に過ごして楽しい活動の数々を綴っていた。そして、その手紙の3ページ目にこう記されていた。

 「先週、この8歳の息子は交通事故で亡くなりました。息子を失った悲しみはどれほど辛いものであったことか、とても表現できるものではありません。しかし、これだけは申し上げたい。今、私は非常に深い『心の安らぎ』を感じています。あなたのセミナーで学んだことを実践し、息子に対して何もやり残したことはないと感じているからです」

 彼の手紙は、「ハイラム、ありがとう」という言葉で結ばれていた。

 人は時として「本当に重要なこと」と「時間の使い方」にギャップがあることを、突然、劇的な形で気づかされることがあります。「人生の目覚まし時計」とでもいうべきアクシデントによって。

 例えば、最愛の人の突然の死。そのときになって初めて「できたはずだけれど、しなかったこと」に気づくのです。あまりにも仕事が忙しく、最愛の人に対して時間を割いてこなかったこと。人生の目覚まし時計が鳴ってしまってから「なぜもっと、2人の時間を大切にしなかったのだろう」と後悔しても間に合いません。

 今この瞬間に、あなたの人生の目覚まし時計が鳴ってしまったら悔いが残ると思うのはどんなことですか?

 あなたがもっと普段からエネルギーを注がなければならないことはどんなことですか?

連載「『7つの習慣』セルフ・スタディ・ブック 第二の習慣」、いかがだったでしょうか? 誠 Biz.IDでの連載は今回でいったん終了です。さらに詳しい内容をご覧になりたい方は、書籍で続きをお楽しみください。


勝つチームを作る「トラスト・リーダーシップ」セミナー開催のお知らせ

 フランクリン・コヴィー・ジャパンは8月20日、管理職向けセミナー「トラスト・リーダーシップ」を開催します。

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会場 椿山荘(東京都文京区関口2-10-8)
受講料 2万9400円〜4万2000円(昼食付き)※参加人数、研修導入状況により異なります
定員 300名
申し込み方法 WebサイトまたはFAX 03-3264-7407 にて
支払方法 銀行振込
問い合わせ先 TEL 03-3264-7417 フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社 セールス・プランニング・チーム(月〜金 9時〜17時)

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