「あなたは誰?」――アウェーで気にしたい3つのことアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

芸能人がアポなしで田舎を訪ね、民家で1泊するという番組をご存じだろうか。この番組が面白いのは、有名な芸能人が自分を知らないアウェーの地で右往左往するところ。ビジネスパーソンもアウェーの会合などで気を遣う時もある。何を気にしたらいいのだろうか。

» 2009年07月29日 08時37分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 「田舎へ泊まろう」というテレビ番組をご存知だろうか。芸能人がアポなしで田舎を訪ね、民家で1泊するという番組だ。

一番ショッキングなのは……

 親切でお金持ちな家に泊まって盛大なもてなしを受けられればよいが、そこでは、家族風呂に先に入る間に夕食を作らされ、家族の後の風呂に入れられるタレントや、飲食業の仕事を延々と手伝わされたりするタレントも登場する。

 一番ショッキングなのは、タレントが身分を明かしても相手に知られていないこと。がく然と落ち込む姿や、ばつの悪い思いをする姿がテレビにどーんと映し出される。まさに自分は皆に知られている有名人だと思っていたのに、全然知られていなかったということを体験するという「アウェー」な場である。

 普段のコンサートやライブには、自分を好きな人、自分を知っている人しか来ないから、ついつい回りは皆自分を知っているのだと錯覚をしてしまっており、ふと現実を目の前に突きつけられるのである。

アウェーで気にしたい3つのこと

 一般人の私たちでも、アウェーの場では「あなたは誰?」という扱いを受けることがある。普段つるんでいる人の集まりであれば、知り合いも多いのだが、少し違う集まりに出ると誰にも知られていない自分の存在に気づく。それもまた、現時点での自分の立ち位置を外から理解できる貴重な体験であるような気がする。また、知らないからこそ、人脈獲得にも使える可能性もあるのだ。

 頻繁には出ないが、そんな集まりに顔を出す場合、心がけていることが3つある。

 1つは、自己紹介を短くすることである。なぜなら、長い自己紹介は覚えてもらえないからである。私の場合は自分のブログを紹介して終わることが多い。

 2つ目は服装である。スーツの人が多い場であれば、スーツを避け(ただし、場所によっては、ドレスコードにひっかかる可能性もあるため、カジュアル過ぎないようにする)、少し自己主張のある色の服を着るようにしている。例えば、先日は明るい朱色系の上下にしてみた。案の定会場はダークな服装が多かったので、後から私のことを見つけて声をかけてくださった方もいた。ダークスーツだったら埋もれていたかもしれない。ちなみに基本はデニムの上に何か印象に残る色のトップスをあわせることが多い。

 3つ目は質問をすることである。せっかくのアウェイの場なので、いつもと違う集団の人に「Tumblrって使ってますか?」「PR会社ってどう思います?」「最近一番注目されてるソーシャルメディアって何だと思います?」などと聞くことで、いろいろな意見を収集することもできる。

 もちろんそこから話題が広がり、将来の人脈につながる人も見つけられる可能性もある。聞けない場合でも、参加者の携帯電話、かばん、PC、アクセサリなどを観察することは可能だ。もしも、参加した会が「つまらない」と感じるものであっても、会の“使い方”次第で有益な場にできる。

 「自分はメディアから取材も受けるし、それなりに知られているはずだ」そんな気持ちになっている人こそ、たまにはアウェイの場に参加して、異なる集団の中で対外的な知名度をはかってみるのも面白いのではないだろうか。ただ、あまりにもアウェイ度が高い場だと、浮いてしまうリスクもあるので、それほど高い頻度での参加はお勧めしない。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


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