メンバーを“シャッフル”すると化学反応が起きるアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

同業者と集まると、ある程度狭い会話になってしまう。少人数の、異業種の集まりは「化学反応」が起きるのだ。

» 2009年07月22日 15時00分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 わたしが長期的な人間関係作りのお手本としている人の中に“Iさん”という人がいる。

 Iさんはときどき、さまざまなメンバーを集めて、ゆるい感じのホームパーティーを開催している。人数は5〜6人というところだろうか。わたしも何度かお邪魔させてもらったことがある。そこで身をもって感じたのは、異なる環境の人を同時に呼ぶことの“効能”だった。

 以前大人数の異業種交流パーティに出席しないと書いたが、少人数の、異業種、つまり異なる立場の集まりは、急に力を持ち始める。同じ立場、同じ職種の人間だと起こらなかった「化学反応」が起きるのだ。

 わたしはIさん主催の複数回のホームパーティーで知り合った人たちの数人とはそれからも交流が続いている。交流といっても、あまり会わない人とは「FaceBook」や「Twitter」といった、インターネットを使った交流をしている。

 友達の友達はみんな友達だというわけにもいかないが、Iさんという人を介して「フィルタリング」が行われているのもよい。Iさんにヒントを得て、わたしも飲み会を企画しているが、ここには過去にお金などのトラブルを起こしたなどの問題のある人は混ぜないように気をつけている。

 先日、弊社内でちょっとした飲み会を実施した。集まったメンバーは、複数のメディアの編集者、ソフトウェア企業のPR担当者、そして、エンジニアの方などであった。数人は面識があったが、初対面同士の人もいた。

 そこにはネット系の編集者に加え、朝夕とアイティメディアなどのWebサイトをチェックし、iPhone新聞を読むという人、反対に情報は日経新聞と日経産業新聞から得ているという人がいて、白熱した議論が交わされた。作り手と読み手の考えや行動の隔たり、また新たなビジネスのヒントも見えてきた。

 ついつい同業者と集まると、ある程度狭い会話になってしまう。それはそれで楽しいことだし、いろいろなヒントも得られる。だが、そればかりだとメンバーが固定化してしまい、広がりがない。また、得られる情報もマンネリ化してしまう。異なる立場の友人、知人をシャッフルして集まると、違ったものが見えてきて楽しい上に、自分にも参加者にも化学反応が起こせる可能性がある。

 ぜひいつものメンバーで集まるだけでなく、メンバーをシャッフルして集まってみてほしい。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


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