3分で必ずアイデアが生まれるアイデア・スイッチ

人間の頭には、アイデアを作り出す機能があります。そして「発想装置」を起動するための「スイッチ」が存在しているのです。今回そんな「アイデア・スイッチ」を紹介していきます。

» 2009年07月10日 11時00分 公開
[石井力重,Business Media 誠]
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「アイデア・スイッチ」とは?

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 人間の頭には、アイデアを作り出す機能があります。頭を「次々と発想を生み出す装置」と表現するならば、困ったことにこの装置はとても不安定で、あるときはどんなに動かそうとしても、まったく作動してくれないことがあります。どこかに隠れている起動スイッチでもあれば便利なのに、と思いませんか?

 創造手法の専門家たちは、これまでに、さまざまな「アイデア創出方法」を見いだしています。つまり、「発想装置」を起動するための「スイッチ」が、実は存在しているのです。

 今回ご紹介する「アイデア・スイッチ」は、日本実業出版社から発売した『アイデア・スイッチ 次々と発想を生み出す装置』から抜粋しています。


3分間で必ずアイデアを出せるミニ・ワークショップ

 「人は3分間でアイデアを出すことができる」

 このように言われても、「本当なの?」という人が多いと思います。そこで、まずはアイデア・スイッチを実感できる3分ワークを用意しました。きっと3分間でアイデアを引き出せることを実感できると思います。


ステップ1 課題を単純化する(30秒)

  • あなたの解決したい問題を紙に書いてください。
  • 発想を促進する定型文「○○するにはどうすればいいか」の形にしてください。
  • ○○の文章を「具体的」で「シンプルな」ものにします。
  • 抽象表現は具体的に、複雑な物事は単純化します。

 (例) 今度の新製品は、初期ロットの出荷状況を見ながら段階的にPR予算を使う必要があり、最初の段階では予算が非常に流動的である。一方で、商品ターゲットがどこに落ち着くかは読みきれないので、いろいろな層の目にとまるようにしたい。

 →あまり予算をかけないで新商品をPRするには、どうすればいいか

コツ

 発想しやすくするコツは「紙に書く」ことです。

 この本質、一言でいえば、「覚えておかなければならないことを、極力減らす」ということなのです。できるだけ物事をシンプルにして頭の中の負担を減らせば、本来もっている頭の力は最大に機能するようになります。パソコンでいえば、ほかのソフトウェアを落として、1つだけソフトを立ち上げることに似ています。頭のもつ発想する力を100%機能できるようにしてあげる感じです。



ステップ2 次のリストを見て、思いつきを書き出す(90秒)

  • 「リスト」の左側を見ていき、アイデアの出そうなものをチェックします。
  • チェックしたものについて、右側の観点でアイデアを考えます。

アイデアのチェックリスト「何か」の具体的な観点
何かを代用できないか部分、人、材料、働き、プロセス
何かを組み合わせられないか部分、目的、応用方法、材料
何か似たものに適用できないか状況、モノ、行為、考え
何かを修正できないか色、外形、音、音声、意味合い
何かを拡大・縮小できないか高さ、重さ、サイズ、強度、頻度、複雑さ、価値
何かほかの使い道がないかそのままで別の分野、一部を変えて新しい用途、別の市場
何かを省略・削除できないか部分、機能、動き、負担、価値
何かを再構成できないかパターン、配置、組み合わせ、部品
何かを逆にできないか順序、上下、内外

 (例) 「何かを組み合わせられないか」+「目的」 何か別の目的を組み合わせることで、低予算でPRできないか?

 →競合しない業種のPRに、広告費補助を出して便乗する

コツ

 厳密でなくても、完全でなくても結構です。ふわっと、思いついたことをそのままに書きとめます。



ステップ3 人に説明できるように整理する(60秒)

  • そのアイデアの実行によって生じる良いことを明確に書きます。
  • 一方で、生じる悪いことは、極力小さくなるように工夫します。

 (例) 大きな広告費をもつ企業と組み、これまでの予算規模では届けられなかった層にも、質の高い広告を提供します。自社商品はサブ的な小さい扱いのため、商品認知が不十分になる懸念があります。それについて、変わったネーミングで、広告内の存在感を引き立たせます。

コツ

 アイデアのコアである3要素「誰に」「何を」「どのように」を盛り込むように、意識 して整理します。



 このミニワークで体感されたと思いますが、人間は、本来、発想する力をもっています。先のリストは、そうした力を引き出す「トリガー(引き金)」となるリストです。世の中には、そうした「発想トリガー・リスト」がいくつか存在し、実際にプロたちの間では、「発想するツール」として使われています。先のものは、その最もオーソドックスなものです。

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