“健康を損なった先にある恐怖”を鮮明にイメージしてみる“もう挫折しない”健康管理

究極のライフハックとは「365日、いつも健康でいること」ではないでしょうか。1分1秒を惜しんで効率的な仕事術を追い求めても、病気で寝込んでしまえば積み上げた努力はパーです。

» 2009年07月08日 18時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

 私にとって究極のライフハックとは、「365日、いつも健康でいること」です。心身ともに最高のコンディションを整えていさえすれば、たいていの物事はこなしていけるものだと思っています。どれだけ最先端のガジェットで滞りないスケジュール管理をしようが、話題のWebサービスを使いこなして作業効率を高めようが、病気で1日寝込んでしまえば、積み上げた努力はパーです。

 さまざまなワザを駆使できるに越したことはありませんが、すべての基本は「健康であること」です。

健康診断直後だけ、野菜を集中的に食べる私

 失ってみて、初めてそのありがたさを痛感する……。こういうことは、健康以外にもよくありますね。例えば、交通事故の危険性がいい例だと思うのですが、みなさんがもっとも安全運転を心がける瞬間はどんなときですか? 私の場合は、自動車免許証を何年かに一度更新するときに見せられる教習用VTRを見た直後です。

 ごく普通の善良な市民が、ほんの一瞬のわき見運転のせいで子供をはねて加害者となり、それまでコツコツと築いてきた平和な人生が崩壊していく……というストーリーのVTRを見せられた直後は、恐怖におののきながら、かたつむりのごとく超ノロノロ運転で帰宅します。みなさんにも、身に覚えがあるのではないでしょうか。類似パターンで、健康診断後と健康バラエティ番組視聴後は、野菜ばかり食べるバージョンもあります(笑)。

喉元過ぎれば熱さ忘れる

 病気になったり、交通事故を起こしてしまうのは誰だってイヤです。だから、ベストを尽くしてそれらを避けようとします。しかし、人間とは悲しい生き物です。喉元過ぎれば熱さ忘れるとはよく言ったもので、鮮明だった記憶はやがて薄れてゆき、長続きしません。

 その瞬間は「ぜったい○○○するゾ!」と誓うものの、1週間も過ぎると元の木阿弥。気づきの頻度が年に1回かそこらでは、やはり身に付かないのでしょうか。

恐怖心をモチベーターに利用する

 そこで、この仕組みを逆手にとって「じゃあ、恐怖心を刺激する情報を、日常的に目にする仕組みをつくってしまおう。そうすれば、一過性の行動でなく習慣化できるのではないか」と考えました。健康を意識せざるをえなくなる情報を、常に身近に置いておき、強制的に自分にフィードバックを与えていくという寸法です。

 健康を失うことでこうむる不都合や恐怖心を、己を動かすガソリンとして利用するのです。やや後ろ向きな方法ですが、こんなことで人間は行動を起こしたりする生き物でもあります。使えるものはなんでも使ってみます。

生活習慣病の分布と日本人三大死因をまとめてみた

 さて、そこでポピュラーな生活習慣病と日本人の三大死因を、分かりやすく一覧表にまとめてみました。生活習慣病では、おなじみ糖尿病、高血圧、高脂血症、メタボリックシンドローム、痛風、アルコール依存症をチョイス。国内患者数とその予備軍の多さに、きっと驚かれるのではないでしょうか。

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 日本人の三大死因は、「ガン(31%)」「心臓病(15.5%)」「脳血管疾患(13.3%)」です(カッコ内は全死因に占める割合)。

 ざっとこの3つが、死因の6割を占めています。この表を眺めていると、「病気とはけっして他人事ではなく、リアルで身近な存在なのだ。いつ自分が発病しないとも限らないのだ」ということがヒシヒシと伝わってきます。

自分の感じる恐怖の正体を知る

 もちろん、これらすべてを防ぐことなど不可能なのですが、そんな中できる1つの確実な対策が、「健康を意識した生活を送る、日常の心がけ」ではないでしょうか。ヘルシーな食事をし、睡眠をきちんと摂り、ストレスを発散させ、そして適度に運動して身体を鍛えるという、当たり前のことを、きちんと積み重ねるしかないのだと思います。

 私にとっての恐怖とはなんだろうと自問したところ、下記であることが判明しました。

  • 「身体を切ったり刺したりされたくない」
  • 「痛い思いはイヤだ」
  • 「注射は怖い」
  • 「身体に管とかワイヤーとか、異物を入れられたくない」
  • 「手術は恐ろしい」
  • 「好きなものが食べられなくなるのは悲しい」
  • 「仕事に支障をきたしてしまう」
  • 「自己管理能力の低い人間だと思われてしまう」
  • 「入院は退屈だ」
  • 「医療費だってバカにならない」
  • 「五体満足でいたい」
  • 「長生きしたい」

 この表をプリントアウトし、トイレの壁に貼るもよし。デスクの端に画鋲でとめておくもよし、縮小して手帳に挟んでおくもよしです。病気に対する恐怖心をモチベーションにするのはどうかなとは思いますが、ひとつの強力な要素であることは間違いありません。

 けっして心地よい作業ではないですが、定期的に病気の恐ろしさを認識するメリットは、きっと少なくないと思います。

 みなさんにとって、健康を損なった先にある恐怖とは、なんでしょうか?

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