サーバ仮想化より簡単、裏紙よりも効果あり――ソフトウェア導入のコツコストカットを考える

事務用品、オフィス家具と来ればIT関連は外せない。特に手軽にできるのが、ソフトウェアの導入に関するコスト削減である。

» 2009年06月30日 17時00分 公開
[鷹木創,Business Media 誠]
ライセンスオンラインの東さん

 コストカットを考える6月の総務特集事務用品中古オフィス家具と来ればIT関連は外せない。特に手軽にできるのが、ソフトウェアの導入に関するコスト削減である。

 「技術的に詳しい人でないとできないサーバの仮想化が上級のコスト削減だとすると、裏紙を使いましょうというようなアナログな対策はコスト削減の入り口と言えるかもしれません。その間にあるのが、ソフトウェアのライセンス導入なんです」。そう答えるのは、ライセンスオンラインの東雅之(あずま・まさゆき)さん(MD統括部EC企画営業部)。

 確かに専門の技術職がいなければサーバ仮想化は難しそうだし、メモには裏紙を使いましょう的な対策も人数の多い大企業ならまだしも中小企業ではそれほど効果が見込めなさそうだ。そんな中、単価が数千円から数万円の業務で利用するソフトウェアであれば、うまく導入することでもしかしたら思ったよりもコストカットできるかもしれない――。ということで、いくつかライセンス導入のコツを聞いてみた。

最大のメリットは安いこと、デメリットは1本から買えないこと

 まずライセンス導入のメリットを考えてみよう。まとめ買いができるので、当然ボリュームディスカウントが受けられる。要は安く購入できるのだ。ライセンスオンラインのような法人向けサービスを利用すれば、購入履歴を追える。「あのソフトのライセンス、そろそろ切れるな」という時の対応も手早くできるし、ライセンス切れのソフトを使い続けるようなコンプライアンス上問題がありそうな使用も防げるというわけだ。

 一方、デメリットは購入に最低必要な本数が決まっていること。「1本だけ欲しいっていうのは難しい場合が多い」(東さん)という。ただ、ある程度の抜け道もある。欲しいソフトが1本だけの場合は確かにパッケージソフトを購入した方がいいかもしれないが、例えばAというソフトは3本購入し、同じソフトウェアメーカーのBというソフトは1本だけ欲しい場合は購入できたりする。

 ライセンスにもよるが、特典で2つのPCにインストールできたりするソフトもある。購入したいソフトのインストール条件なども合わせて確認するといいだろう。

会社が大きくなればなるほど……

星さん

 東さんによると、「50人ぐらいまでの会社だとソフトウェアの購入に頓着しない」という。PCといえば量販店で購入するものであり、ソフトウェアもPCにプリインストールされたものを使うか、PCを購入したところでパッケージソフトをその都度買い足すのが当り前のようだ。

 社員数が十数人の規模であれば、それでもあまり問題ないかもしれない。ところが50人、100人と会社の規模が大きくなればなるほど管理が大変になる。同じくライセンスオンラインの星知美(ほし・ともみ)さんもそんな会社で働いていたことがある。

 「パッケージを保管しておかなくちゃいけないので、パッケージだけが山積みになっていました。そのうちソフトウェアを管理していた人が退職しちゃったりして、パッケージだけなのに捨てていいものかどうか分からなくなってしまいました」


 PCも2、3年たったら陳腐化し、新しいPCに買い替えることも多いだろう。ソフトも高機能なバージョンに買い替えられるなら生産性の向上が見込める。費用がかかるとなると投資対効果も考えて買い替えしないという選択肢もあるが、ライセンス導入によってある程度コストが抑えられるなら、ライフサイクルを意識して購入してもいいかもしれない。

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