自分で企画したパーティーは、良好なネットワークを築くアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

異業種交流会はお勧めしないが、自分で企画するパーティーや懇親会は別だ。よい人が集まり、良好な関係を維持できる。

» 2009年06月24日 14時45分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 異業種交流会をお勧めしないということは以前触れたが、自分で企画するパーティーや懇親会は別だ。わたしの場合、最近多忙で頻度が落ちているものの、小さいものも含めるとパーティーや懇親会を年に数回は開催している。

 その中で、メーリングリストが母体となった会がある。2000年ごろから続けていて、幹事は毎回持ちまわりにしている。メーリングリスト以外の方でも、面白そうな方は適宜お誘いし、一緒に情報交換をしながら、楽しい時間を過ごしている。もしかしたら「あ、以前誘われたかも」とか「前回出ました」「こないだは無理だったけどまた誘ってね」なんて人もいるのではないだろうか。

 この会がきっかけとなって、「よい仕事が舞い込んできた」とか「優れた人と良好なネットワークが築けた」「月刊誌の連載が決まった」「本にインタビューが出た」などという連絡をいただくと、主催側としても、とてもうれしい。

 「それでは、あなたの人脈にはつながらないのでは?」という疑問も出るかもしれないがそうではない。まず、一緒にメーリングリストをしている方たちとは長期的なよい関係が築けているし、「あの会に参加すると、よいネットワークが築ける」というクチコミで、よい人が集まってくる。もちろん仕事面でも、アドバイスをいただいたり、ほかのメンバーから仕事の種をいただくこともある。

 もちろんよい面ばかりだけではない。だから会合の後のしつこい売り込みや勧誘など、不適切な活動をした方には次回はお声がけをしないことにしている。

 また、「仕事に困っているから、いつもやっているあの会合に誘ってほしい」と突然連絡をしてくる人は誘っていない。というのも、人間は切羽詰まって強引な売り込みに走るケースがあり、そんな状態では良好な関係が築けないと思うからだ。切羽詰まったときは、普段から自分がお世話をしている人や、自分のことをよく分かってくれている親しい人に接触したほうがよいのではないかと思う。

 母体となるメーリングリストのスタートから9年。亡くなった方もいたり、メンバーの入れ替わりもあった。メーリングリストというツールも、もしかしたら時代遅れになりつつあるかもしれない。ただ、リアルな場で集まるということはいつまでたっても時代遅れにならず、良好な関係維持には欠かせないように思う。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


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