“理性”ではなく“強制”でエクササイズの習慣をバージョンアップする“もう挫折しない”健康管理

物事を習慣化するのは難しいことですが、一度身についてしまった習慣を壊すのはさらにやっかいです。長年の繰り返しで身についた習慣から、さらに次のステップに進むためには、“理性”ではなく“強制”が必要なのです。

» 2009年06月03日 15時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

 エクササイズの習慣には功罪があります。功は「以前できていなかったことが、できるようになること」。一方の罪は「できるようになったこと以外が、できなくなってしまうこと」です。物事を習慣化することは難しいですが、身についてしまった習慣を壊すのは、さらにやっかいなことです。

習慣を壊すことは、作ることよりも難しい?

 定期的に走っていれば、必ず体力はつきます。体力アップに比例して、肉体への負荷は軽くなり、トレーニング効果は薄くなります。よって、ときどきメニューを見直す必要があるのですが、身についた習慣がジャマをしてしまうことがあります。

 正直に告白しますと、私は長年の繰り返しで身についた「30分で5キロのジョギング」の習慣を壊せないでいます。いつかハーフマラソンに出場したいなと漠然と思ってはいますが、具体的なアクションを起こせていません。ときどきトレッドミル(スポーツジムにある走るベルト)で「今日は45分走ろう」とか、「いつもより距離を伸ばして8キロ走ってやる」と決めても、30分経つと、「やっぱり、もういいかな……オレがんばったし」と理屈をつけて30分でやめてしまうのです。

トライアスロンランナーに教わった「How to バージョンアップ」

 そんな自分へのイライラがここ2年ほど続いていたある日、トライアスロンを趣味にしている知人に10年前に聞いた話をふと思い出しました。その人が日常的に行っていたこのトレーニングは、ややハードなので本当は思い出したくなかったのですが、この方法以外に習慣を壊す方法が思いつかないので、真剣に実践を検討しています。

 メニューは極めてシンプルです。

  • 1.休日に家族で車でお出かけする(買い物や日帰り観光などの家族サービス)
シューズ、ウェア、タオル、水、小銭、携帯電話等を入れたリュックを、あらかじめ車に積んでおく
  • 2.家族を車で帰らせ、自分だけ帰路をジョギングで戻る
車と同時にスタートしては、自分の帰宅が大幅に遅れるので、数時間先に出発する。あまりに遠方の場合(100キロとか)は、途中までいっしょに車で戻り、自宅手前(20〜30キロ地点)で降りる

 こうすることで、「完走するまで帰宅できない」という強制的な状況に自分を置くのです。己を一段レベルアップさせるには、理性に頼っていては限界があるのですね。10年前にこの話を聞いたときは「ムチャなことをするなあ、自分はとてもマネできない」とあきれたのですが、まさか本当にやろうと考えてしまうとは……。

家族の協力をどう得るか?

 「そんな突拍子もないことに、家族が協力してくれるだろうか」

 「身勝手な父親だと思われないだろうか」

 2つの疑問について尋ねたとき、その心配はないと言われました。なぜなら、“すでにその日のほとんどを家族サービスに費やした実績”があるので、家族の納得感は高く、協力は得やすいからです。「今日はおでかけに連れていってくれてありがとう。とても楽しかったよ。じゃあお父さん、気をつけて走ってきてね」と笑顔で送り出してくれるのです。

 家でゴロゴロしてどこにも連れて行かないより、はるかに家族にはウケがよかったとのこと。家族も喜び、お父さんもトレーニングができて一石二鳥。なるほど、納得です。

独身だって実行できる

 荷物を運んでくれる家族がいない場合(例えば独身者)でも、公共交通機関で出かけ、帰りは荷物を背負って走れば実現可能です。ただし、すべて自分で持ち運びをするので、荷物は最小限に抑えておく必要があります。

  • タオル
  • 携帯電話
  • 財布
  • 自宅のカギ

 これだけなら重さも知れていますし、かさばりません。

シューズとウェアの問題はこう解決

ポロシャツ、7分丈のパンツ(ポリエステル)、リュック。これにジョギングシューズを組み合わせる

 さて、シューズをどう運ぶかの問題がありますが、あらかじめジョギング用シューズで外出すればOKです。カジュアルウェアになら、無理なくコーディネートできるはず。ウェアに関しても、いわゆるジョギングシャツで外出するわけにもいかないので、カジュアルウェアを着用しておきましょう。例えばこんなかんじです。

 けっしてオシャレな格好ではないですが、違和感もないですよね? 週末のショッピングや観光地へのお出かけ程度なら、許容範囲だと思います。これで、1人でもできるトレーニングであることがハッキリしました。

 さて、口で言うだけなら誰にでもできるので、上記の脳内シミュレーションで問題がないかを検証することにしました。いつもの倍の10キロを目標に、実際に自分で試して、次回はそのリポートをしてみようと思います。

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