サムライと商人が同居したら、“R25”のクオリティーが上がっちゃった？：みっちゃんのオフィスちゃっかり訪問（1/2 ページ）

ちゃっかり者のみっちゃんが気になる会社におじゃまする「みっちゃんのオフィスちゃっかり訪問」。第3回はR25やL25を発行する「リクルート」さんと、社外パートナーの「メディア・シェイカーズ」さんにおじゃましてきました。文化の異なる2つの会社がオフィスや制度の力で一体となっていました。

　ちゃっかり者のみっちゃんが気になる会社のオフィスにちゃっかりおじゃまして、どんな会社だったかお伝えする「みっちゃんのオフィスちゃっかり訪問」。第3回は、R25やL25を発行する、リクルートさんの編集・制作部門と、広告営業・制作を社外パートナーとして行うメディア・シェイカーズさんにちゃっかりおじゃましてきました。誌面作りでぶつかることも多かった、文化の異なる2つの会社がオフィスや制度の力で一体となっていました。

サムライと商人が対立

　オフィスは築地市場からほど近い、新しいオフィスビルが立ち並ぶあたりにありました。ブラウンとホワイトでまとめられたエントランスは、高級マンションか高級ホテルという雰囲気。このエントランスと会議室、喫煙室、「インサイトパーク」と名付けられた休憩室がリクルートとメディア・シェイカーズとの共有スペースで、共有スペースを挟むようにそれぞれのオフィスの入口があります。

エントランスと共有スペースを挟んでそれぞれのオフィスがある

　メディア・シェイカーズは、電通とリクルートが合弁で設立した広告会社です。リクルートの雑誌やWebサイトの広告枠を販売するほか、広告・宣伝手法の企画・提案も手がけています。R25、L25のフリーペーパーやWebサイト、モバイルサイトは、リクルートが編集を、メディア・シェイカーズが広告営業とタイアップ広告の制作をすることで成り立っています。

R25、L25などを制作

　読んだことのある方も多いと思いますが、読み物性の高いタイアップ広告がR25やL25の特徴であり、競合優位性の1つです。広告を面白い記事に仕立て、読者にとって違和感のない読み物が作られています。面白い誌面を作ることを追求したい編集と、広告主へのサービスを追求したい営業が、お互いを受け入れ、工夫した結果、読者アンケートで人気の高い記事に選ばれたり、広告主からも高い評価を得るようなものになったと言います。

メディア・シェイカーズの笠松良彦社長

　しかし当初は、「編集側（リクルート ）」と「営業側（メディア・シェイカーズ）」が対立しあう状況があったとか。メディア・シェイカーズの笠松良彦社長は、両社を「サムライと商人のようなもの」と表現します。

　「上下関係がはっきりしている体育会系縦社会のメディア・シェイカーズ（＝サムライ）と、やりたい人が手を挙げるフラットで自由なリクルート（＝商人）。文化の異なる2社は、このオフィスに移転するまで、お互い歩いて20分ほどの距離にオフィスがありました。往復で40分もかかるとなると必然的に電話やメールでのやりとりが多くなり、対面の場はフォーマルなコミュニケーションの“会議”だけ。お互い言いたいことがあっても、理解も充分できておらず、衝突もしない、という状況でした」（笠松社長）

　そこで「編集と営業のトップを1人に兼務させて一体になろう」「じゃあオフィスも一緒にしちゃおう！」という話になり、2007年11月から同居がスタートしたそうです。なんとも大胆なオフィス移転の経緯ですね。