「初めからつまずく人も多かった」――Google AdWordsアップデート

グーグルは新規ユーザー獲得に向けて、Google AdWordsのインタフェースをアップデート。約7年間継ぎ足された管理画面を改修したという。

» 2009年04月13日 16時43分 公開
[塙恵子,Business Media 誠]
photo 製品開発本部の徳生健太郎部長

 AdWordsの管理インタフェースが変わったのってご存じ――。グーグルは4月13日、AdWordsのインタフェースを変更したことを明らかにした。

 グーグルの辻野晃一郎社長が「7年間、グーグルの屋台骨を支えてきた」と表現するほど、AdWordsは誕生から7年たっても依然としてグーグルの大きな稼ぎ頭。AdWordsでは、ユーザーが検索したキーワードと関連性の高い情報を入手し、広告主がターゲットを絞って出稿、そしてコンテンツオーナーが広告収入を得るという1つのサイクルが成り立っている。そのAdWordsがこの4月にさらに進化をしたという。今回アップデートしたのは、ユーザーインタフェースだ。

 現在AdWordsでは、広告掲載のスケジュール、掲載順位の設定など20以上のツールと、広告配信別の掲載結果など10以上のリポートを用意している。グーグル製品開発本部の徳生健太郎部長は「機能の継ぎ足し継ぎ足しで、長年(AdWordsを)使っている広告主には理解できるが、これから始める人には管理画面が非常に難しくなっている。管理画面にはキャンペーンとデータがずらっと並んでいて、数字に強い人にはいいが、初めからつまずく人も多かった」と言う。この背景から管理画面を見直しを図った。「新規の広告主や、途中で出稿をやめた人……さまざまな種類の広告主にAdWordsを使ってもらいたいので」(徳生部長)

 「速い」「明確」「使いやすい」の3つのキーワードで管理画面を改善したとのこと。「毎回リポートが大変だったナビゲーションを変え、すばやくアクセスできるように、またデータをグラフ化するなど視覚的に強化を図った」(徳生部長)


photophoto これまでの管理画面と新しい管理画面

photophoto キーワードの閲覧も簡単に(左)、「ネットワークタブ」からサイトの統計の一覧を表示する(右)

 例えば「保険」の広告で「損害保険」というキーワードを“ざっ”と確認したいだけなのに、これまでは「レポートの作成」→「レポートセンター」→「キャンペーン」という行程を踏んでようやくキーワードを検索できるという状態だった。それを、キーワードタブをクリックするだけでアカウント全体のキーワードが閲覧できる。これまで「レポートセンター」からのみサイトごとで統計を提供していたものを、自動的に「ネットワークタブ」からサイトの統計の一覧を表示するようになっている。

photophoto パフォーマンスのチェックもグラフ化することで、クリック率が落ちた原因などを追いやすくなった。「クリック率」「表示回数」「平均表示回数」などの項目にチェックを入れることで、競合が増えたなどの原因も視覚的に分かりやすい(写真左)、括弧([])やダブルクオーテーション(“”)で検索キーワードのマッチタイプを自分で決める必要があったが、入力の面倒な作業を省き、キーワードをドロップダウンからマッチするタイプを選択できるようになった(写真右)


 徳生部長は「(記者たちに向かって)この中でAdWordsを使ったことがある人はどれくらいいるでしょうか。おそらく数人だと思いますが、ECサイトだけでなく、売りたいものがあるすべての人が、広告主になる可能性がある。AdWordsでなら、広告主が大手だろうとなかろうと同じ土俵で戦える」とコメントし、今回のアップデートで、さらに新たな広告主を獲得していく姿勢をアピールした。

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