子どもの名前で“エゴサーチ”したことありますか? 「インターネットセキュリティ・4つのヒント」

あなたは、子どもの名前で“エゴサーチ”(Googleなどで名前をキーワードとして検索すること)したことはあるだろうか。シマンテックによれば、子を持つインターネットユーザーの3分の1が「子どものオンライン活動を管理することは難しい」と感じているようだ。

» 2009年04月07日 18時29分 公開
[杉本吏,Business Media 誠]

 「あなたのお子さんは、インターネットを月に何時間使っていますか? よく見ているWebサイトは? オンラインでの友達は何人いますか?」

 ――こんな質問をされたとしたら、あなたはとっさに答えられるだろうか。シマンテックが米Harris Interactiveに委託して行った調査によると、子を持つインターネットユーザーの3分の1が「子どものオンライン活動を管理することは難しい」と感じていることが明らかになった。

 調査は、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、スウェーデン、英国、米国の12カ国において、オンラインユーザー9041人を対象に行われたもの。内訳は18歳以上が6427人、そのうち子を持つ親が1297人、8〜17歳が2614人。

子どものインターネット利用時間は「親の考えている2倍」

 調査によれば、世界の子どもたちの月平均インターネット利用時間は39時間(PCによる利用のみで、モバイル機器からの利用は含まない)。一方、親たちが考えている子どものインターネット利用時間は平均21時間と、ほぼ2倍ほどの開きがある。子どもは、親が考えているよりもはるかに長時間インターネットに接しているということだ。


シマンテックの風間彩シニアマネージャ

 18歳以上の大人の6割は、子どもたちのインターネット利用時間を「長すぎる」と感じており、約半数が「時間の無駄」だと考えている。また、親たちの5人に1人は、許可していないオンライン活動を子どもたちが行っているのを発見したことがある。

 こうした子どものオンライン活動を「こっそり監視する」という親は、昨年の調査と比較して48%増加した。「多くの親が、Webブラウザの履歴を見たり、残されたCookieを確認したりといった監視をしている。ただし、調査アンケートでは『子どもが履歴の消し方を覚えてしまって対処できなくなった』といった意見も数多く見られたようだ」(シマンテックでリージョナルプロダクトマーケティングを担当する風間彩シニアマネージャ)

日本の親は無責任?

 「オンラインで子どもたちを保護するのは誰の責任か」(複数回答可)という質問には、親の9割が自分たち(親)と回答。「子ども」と回答したのは2割弱だった。しかし、日本に限ってみれば、「責任があるのは親」と答えたのは8割弱にとどまり、12カ国中最小。一方、「子どもに責任がある」と答えた割合は4割と最多だった。

 さらに、世界全体では7割の親が「オンラインでの安全な習慣について子どもを話したことがある」と答えているが、日本では約2割と、やはり12カ国中最小だった。風間氏は、「インターネットを利用する親が、子どものオンライン活動に対して意識すべきポイントは4つある」と話す。

頻ぱんに話し合いを持つこと

 「オンラインで自分の子は何をしているのか、お気に入りのサイトはどこか、ネットいじめは受けていないか――そういった話し合いが何よりも大切」。ただし、親は子供にたいして尋問するようなやり方ではなく、できるだけ「双方が意見を交わす対話のような形で行うのがいい」という。

現実的なルールを作ること

 携帯電話のように、場所や時間を選ばずにネットを利用できるデバイスが広く普及している以上、親が子どものネット利用を完全に制限するのは難しい。すべてをコントロールしようとするのではなく、例えば「電話番号や住所といった個人情報は簡単に入力しない」「公共のWebスペースには書き込まない」など、まずは基本的なルールを共有しよう。

予防的なセキュリティ対策を展開すること

 アクセスフィルタリング機能やアクセス時間制限といった、いわゆる「保護者機能」を搭載したインターネットセキュリティを使用する。

子どもたちのオンライン生活に参加すること

 インスタントメッセンジャーやSNSを利用して、子どもたちのオンライン生活に参加してみること。子どもがアップロードしたビデオや画像を確認したり、ときには「Googleなどの検索サイトに子どもの名前を入れて情報を入手するのも1つの手」。


 企業でのセキュリティ対策の重要性がますます増してきている昨今。「会社ではきちんとセキュリティポリシーに基づいて日々の仕事をこなしているし、PCの管理もばっちり!」と自信を持っている人も多いだろう。

 しかし、あなたの息子さんや娘さんはどうだろうか? 家族みんなが使う共有PCのルールについて、一度でも真剣に話し合ったことはあるだろうか? ――自信を持って「だいじょうぶ!」と答えられない人は、今日帰宅したらさっそくみんなで話し合ってみてはいかがだろう。

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