朝のうちに「スタメンタスク」と「ベンチ入りタスク」を決めるのだシゴトハッカーズ

「時間配分付きToDoリスト」として大橋さんがおすすめするのがExcelによるタスク管理。「この仕事全部、本当に今日中に終わるのかな」という不安がなくなり、突然予定外のタスクが割り込んできたときにも効果を発揮します。

» 2009年03月13日 08時30分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

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 タスクごとに時間配分を決める段取り作業は、毎日行うにしてもけっこう手間のかかるものだと思います。そこで一つ提案なのですが、紙ではなくPC、特にExcelを使って同じようなことをするのはいかがでしょうか。


 例えば、Excelに作業を書き出して、各作業の隣のセルに所要時間を記入します。Excelですから、所要時間の列を合計すれば、その日の作業を終えるのに必要な合計時間が割り出せます。その時間が仮に16時間を超えていれば、出社時刻が10時なら深夜2時まで仕事をする、ということになります。

 ToDoリストだけでは「今日は仕事が多いな」という程度の認識だったのが、Excelで所要時間込みで書き出すことによって、「今日は26時まで仕事かー」というより具体的な認識が朝一番に得られます。もちろん、26時までなどとうてい不可能、ということであれば、そこでリストの見直しをせざるを得ないでしょう。これが重要です。


 このシートを使ってみてください。タスクを書き出して、所要時間を入れることで、その日の退社時刻が分かるようになりますから、終電間際になって「結局、今日も終わらなかった」ということを早い段階で防げるはずです。


 なるほど。この場合、その日の帰社時間までに終わりそうにないToDoは、最初からその日のToDoリストには入れておかないわけですか?


 そうですね。あるいは計算対象外の行に書き出しておくようにします。スターティングメンバーに入れなかった、ベンチ入りのタスクという感じです。時間が余れば、あるいは予定が変わって本来のタスクが翌日以降に先送りになった時に起用できるようにするわけです。


 私は1日の途中で予定外のタスクが入ってきて「結局ToDoが全部終わらなかった」ということがよくあるんですが、そういう場合も、はみだしそうなタスクをベンチに移動させればいいわけですね。


 Excelタスクシートを使うことで、

  1. 朝一番でその日の退社時刻が分かるため、
  2. 時間配分して、無理のないToDoリストを作成できる
  3. 予定外のタスクが入った場合でもToDoの再構成がしやすい

 というわけですね。ExcelでのToDo管理、ためしてみようと思います。大橋さん、佐々木さん、ありがとうございました!

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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